直行直帰する約50名の訪問介護士の訪問時刻と位置情報を、QRコードで記録したい相談事例

日本の高齢者宅の玄関内で、70代の訪問介護スタッフが壁の手に届く位置に設置された小さなQRコード付き用紙を自分のスマートフォンで読み取っている。奥に高齢の利用者が落ち着いて待っている。明るい日中の光、穏やかな日常の写真品質。実在企業のロゴ・社名なし、住所・個人情報・読める文字なし、QRコード模様のみ、横長16対9。
相談内容に基づくイメージ画像

訪問介護士が自宅から利用者宅へ直行し、複数のお宅を回って直帰する働き方では、事務所が訪問の状況をその場で確認することは難しくなります。今回は、約50名の訪問介護士を抱える関西地方の訪問介護事業者から寄せられた、訪問先・開始終了時刻・訪問間の時間を記録したいというご相談です。利用者宅に設置したQRコードと手持ちのスマートフォンを使う提案から、現在のトライアルまでの経緯を紹介します。

現在の状況

現在はトライアル中で、料金は発生していません。従来の報告内容とQRコードの記録を照合し、操作の定着とデータの整合性を検証しています。本番導入の完了や、定量的な改善効果を報告する記事ではありません。

1. 直行直帰が中心で、事務所では訪問状況を把握しにくい

ご相談いただいた事業者では、約50名の訪問介護士が、利用者のお宅を訪問して介護を行っています。訪問介護士は自宅から利用者宅へ直接向かい、介護を終えたら次の利用者宅へ移動します。事務所へ立ち寄る機会はほとんどなく、直行直帰が中心です。

従来は口頭での報告や別の報告書など、訪問介護士の自己申告をもとに、どのお宅へ行き、どれだけ滞在したかを管理していました。事務所としては、実際の訪問時刻や滞在時間を確認するための記録を、より効率的に集めたいという課題がありました。

相談の出発点は、報告作業の効率化に加え、自己申告だけに頼らず、訪問実態を確認しやすい方法にしたいというものでした。

2. 最初に確認したのは「何を記録し、何に使うのか」

ハネソルでは、まず事業者が知りたい情報を確認しました。必要だったのは、次のような行動記録です。

こうした記録を、訪問介護士へ支払う報酬を計算するための基礎データとして使いたいというご要望でした。報酬計算では、その日の最初の利用者宅から最後の利用者宅までの連続した時間を扱う方針で、個々の訪問間の時間も行動記録として把握したいとのことでした。

具体的な報酬の算定方法は事業者側の運用に委ね、キューRクラウドでは、その判断に必要な時刻と訪問履歴を収集する範囲に整理しました。

3. 定期的に訪問する利用者宅へQRコードを設置する提案

訪問先は一定の利用者宅で、同じお宅へ定期的に訪問する運用でした。そのためハネソルからは、利用者宅ごとにQRコードを割り当て、印刷した用紙をお宅の中に設置する方法をご提案しました。

訪問介護士には約50名それぞれのキューRクラウドのアカウントを発行します。本人がログインしたスマートフォンで訪問先のQRコードを読み取ることで、訪問先と記録者を結び付けます。

  1. 利用者宅の中に、その訪問先のQRコードを設置する。
  2. 訪問介護士が自分のアカウントでログインする。
  3. 訪問開始時に、設置されたQRコードを読み取る。
  4. 介護が終わったら、同じQRコードをもう一度読み取り、終了を記録する。
  5. 次の利用者宅でも、開始時と終了時にそれぞれQRコードを読み取る。
  6. 事務所が訪問先別・訪問介護士別の時刻と履歴を確認する。

QRコードの設置先が「どのお宅か」を、ログインアカウントが「誰が記録したか」を示し、読み取り時刻が訪問開始・終了を確認するためのデータとなります。

4. 「QRコードを写真に撮れば、訪問せず記録できるのでは?」

提案に対し、お客様から具体的な懸念が示されました。QRコードが印刷物なら、訪問介護士が写真に撮って保存し、その画像を別の場所で読み取ることもできるのではないか、というものです。

印刷されたQRコードの読み取りだけでは、記録者が実際にその場にいたかを確認する材料が不足します。そこでハネソルからは、QRコードの読み取り時に、GPSによる位置情報も記録する方法をご案内しました。

4-1. 訪問先・記録者・時刻と位置情報をセットで確認

今回の運用は、利用者宅の中に設置したQRコードを、訪問時に読み取ることを前提としています。そのタイミングの位置情報を記録し、事務所が訪問先と照らし合わせて確認します。距離によって読み取りを自動的に拒否する方式ではなく、取得した位置情報を事務所で確認する運用です。

記録する情報 確認に使う内容
訪問先のQRコード どの利用者宅に対する記録か
ログインアカウント どの訪問介護士が記録したか
開始・終了の読み取り時刻 訪問の時間帯と滞在時間
読み取り時のGPS位置情報 記録された場所が訪問先と整合しているか

4-2. 不正の抑止と、記録の確認材料として使う

位置情報を併せて残すことで、QRコードの画像だけを別の場所で読み取った場合にも、記録された場所を確認する材料になります。一方で、位置情報の精度や改ざんの可能性もあるため、QRコードとGPSだけで不正を完全に防止できるとは説明していません。

また、記録は介護の内容や実施そのものを直接証明するものではありません。従来の報告と照合しながら、訪問記録の確認や不正の抑止に役立てる提案です。

日本の訪問介護事業所で、担当者がノートPCに表示された訪問履歴の一覧と位置情報の地図を確認している。机には照合用の紙の報告書。画面は抽象的な行・時刻欄・地図上の点のみで、住所・氏名・読める文字なし。明るく落ち着いた事務所、企業ロゴなし、横長16対9の写真品質。
相談内容に基づくイメージ画像

5. 訪問間の時間は行動記録として確認し、報酬は事業者側で計算

前の利用者宅での終了時刻と、次の利用者宅での開始時刻を記録すれば、その間にどれくらい時間が空いたかを計算できます。事業者は、この時間差を訪問間の行動記録として把握したいと考えていました。

ただし、時刻の差だけでは移動・休憩・待機を区別できません。必要に応じて報告内容と照合して確認するためのデータとして扱います。

記録取得と報酬計算の役割分担

キューRクラウドは訪問先・記録者・時刻・位置情報の記録に範囲を絞ります。その日の最初の訪問から最後の訪問までの時間や、訪問件数・各訪問の滞在時間をどのように報酬へ換算するかは、訪問介護事業者側で計算します。

6. 専用機器を増やさず、長期利用しやすい費用を検討

具体的な導入検討が進む中で、費用も重要な相談事項でした。大きな予算をかけることが難しいため、できるだけ安価に、長期的に利用できる方法が求められていました。

ハネソルからは、利用者宅にはQRコードを印刷して置き、訪問介護士は手持ちのスマートフォンで読み取るため、専用の読取機器を追加する必要はないとご案内しました。

業務全体を作り替えるのではなく、自己申告を確認するための基礎データを集める仕組みに絞ることで、月額費用を抑えた提案として、本格的な検討に進みました。

7. 高齢の訪問介護士にも使えるか、長期のトライアルで検証中

今回の現場では、介護を受ける利用者だけでなく、介護を行う側にも70代・80代の訪問介護士がいます。そのため、機能として記録できることに加え、日々の訪問で実際に操作を続けられるかが重要です。

現在は、時間をかけてトライアルを行い、従来の報告内容とQRコードで取得したデータを突き合わせています。正しくデータが取れているか、両者に整合性があるかを検証している段階で、まだ料金は発生していません。

読み取った本人も、読み取り済みの記録・状態を確認できます。訪問介護士が操作の結果を確認し、事務所が履歴と位置情報を確認する流れで、運用の定着を確かめています。

操作の確認
ログインと訪問開始・終了時の読み取りを、日々の業務で行えるか。
記録の照合
従来の報告と、QRコードの訪問先・記録者・時刻が一致しているか。
位置情報の確認
読み取り時の位置情報を、訪問先の確認材料として使えるか。
日本の高齢者宅の玄関付近で、70代の訪問介護スタッフがスマートフォンの読み取り完了画面を確認している。近くの壁にQRコード付きの小さな用紙。スタッフの穏やかな表情とスマートフォン操作が分かる自然な構図。画面は文字なしのチェックマークのみ、氏名・住所・企業ロゴなし、横長16対9の写真品質。
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8. 自己申告に、現場で取得した記録を組み合わせる

今回の相談で目指したのは、直行直帰の訪問介護士の働き方を変えずに、事務所が訪問の状況を確認しやすくすることでした。利用者宅のQRコード、本人のアカウント、開始・終了時刻、位置情報を組み合わせ、報酬計算にも使える基礎データを集めます。

現在は、従来の報告と記録を比較するトライアルを継続しています。操作のしやすさとデータの整合性を確かめながら、現場に合った運用を検討しています。

直行直帰の訪問業務の記録についてご相談ください

「誰が、どこへ、何時から何時まで訪問したかを確認したい」「自己申告の報告と照合する記録を残したい」「専用機器を増やさず始めたい」。現在の報告方法と、記録をどのように使いたいかを伺い、QRコードを活用した運用を提案します。