化学メーカーのプラント工場総点検で、作業員の入退場記録をQRコード化したい相談事例

日本の化学プラント工場の通用門に設けた受付で、ヘルメットと作業服を着用した作業員が個人用QRコード付き入場票を据え置き型バーコードリーダーにかざしている。リーダーの横にはインターネット接続されたノートPCがあり、受付スタッフが確認している。背景には複数の作業員と配管設備。実在企業のロゴ・社名・施設名を含めず、文字を入れない、横長16対9の写真品質のイメージ。
相談内容に基づくイメージ画像

プラントの総点検では、自社の社員だけでなく、協力会社の作業員や当日のスポット作業員も出入りします。今回は、紙による入場記録と手作業の集計を電子化したいという、化学メーカーからのご相談を紹介します。複数の門でのQRコード読み取りから、当日登録、スマートフォンを持たない方への対応まで、実際の打ち合わせで確認した内容をまとめました。

この記事について

実際に寄せられたお問い合わせと、ハネソルが回答・提案した運用を紹介する相談事例です。セキュリティチェックの審査は通過済みで、現在はトライアル実施前の段階です。本番導入の完了や効果を報告する記事ではありません。

1. 約3か月の総点検期間に、多数の作業員が複数の門から入場する

ご相談いただいたのは、合成ゴムや高機能樹脂などの製造・開発を行う化学メーカーです。自社プラント内の機材・設備を対象に、2年に一度の総点検業務を実施しています。

点検期間はおおむね3か月。当日受付でWebフォームから登録するスポット作業員は約300名、事前登録済みの作業員を含めた対象人数は約1000名を想定しています。また、1日あたり最大で約1000名の入場が見込まれるため、人数への対応に加え、各門で滞りなく受け付けられるかも確認しました。

入場場所は正門だけではありません。複数の通用門があり、それぞれの場所で、どの作業員が入場したのかを記録する必要がありました。

1-1. 作業員は3つのグループに分かれていた

対象従来の入場・訪問確認
自社の社員配布された入場票を、正門または通用門の常駐スタッフに提示
事前登録している企業の作業員事前に配布された入場票を、門のスタッフに提示
当日のスポット作業員紙の来訪記録表に記入し、訪問先の社員から手書きサインや印鑑をもらって、退場時に提出

1-2. 紙の記録を集計する負担が課題

これまでは紙で入場記録を残していたため、その後の集計も手作業となり、多大な労力を要していました。そこで、QRコードを使って記録を電子化できる方法を探す中で、ハネソルが運営する「キューRクラウド」を知り、お問い合わせいただきました。

2. 作業員ごとのQRコードで「誰が・いつ・どこの門から」を記録する

Q. 具体的な運用方法を紹介してもらえますか?

ハネソルからは、作業員一人ひとりにQRコードを割り当て、各入場箇所で読み取る運用をご紹介しました。門ごとの読み取り環境を設定することで、誰が、いつ、どこの門から入場したのかを記録できます。

読み取りには、スマートフォンまたはバーコードリーダーを利用できます。バーコードリーダーを使う場合は、別途インターネットに接続されたPCが必要です。

短時間に多数の作業員が入場する場合や、門のスタッフの負担を軽減したい場合には、据え置き型バーコードリーダーの設置をおすすめしました。

  1. 作業員情報を登録し、一人ひとりにQRコードを割り当てる
  2. 正門・通用門ごとに読み取り環境を用意する
  3. 入場時に、入場票やスマートフォン画面のQRコードを読み取る
  4. 正門・すべての通用門で、退場時にもQRコードを読み取る
  5. 管理画面で履歴を確認し、必要なデータを出力する

2-1. すべての門で、入場・退場を自動判定する

今回採用する運用は、正門・すべての通用門で、入場時と退場時の両方にQRコードを読み取る方式です。1回目の読み取りを入場、2回目を退場として、読み取りの順序により自動判定します。現場では入場時・退場時にそれぞれQRコードをかざすだけで、入場・退場を選択する操作は不要です。

3. 事前登録済の作業員と、当日のスポット作業員を同じ仕組みで管理する

Q. 事前登録済の作業員と、当日スポットの作業員を同一管理できますか?

同じ仕組みで管理できます。事前登録された作業員のデータをあらかじめシステムへ登録していただくことで、QRコードによる記録管理が可能になります。

当日のスポット作業員は、受付でWebフォームから登録する運用をご紹介しました。作業員ご自身のスマートフォンで入力していただく方法や、入場口に用意したタブレット端末から入力していただく方法など、現場に合わせて選択できます。

事前登録と当日登録では受付の手順が異なりますが、登録後は作業員ごとのQRコードを使って入退場を記録するという共通の流れにできます。

4. 当日登録後のQRコード配布は、メール・画像・紙を使い分ける

Q. 当日スポットの作業員には、登録後にQRコードをどう配布しますか?

登録用Webフォームにメールアドレスの記入欄を設けると、そのアドレスへQRコード情報をその場でメール送信する機能を利用できます。

Q. メールアドレスを持っていない場合はどうすればよいですか?

Webフォーム送信後に表示されるQRコード画像を、スマートフォンで画面キャプチャしていただく方法があります。また、受付のタブレット端末で登録した場合には、その画面に表示されたQRコードを作業員のスマートフォンで撮影していただく方法もご紹介しました。

Q. 作業員がスマートフォンを持っていない場合はどうすればよいですか?

レシートプリンタを使って、受付でQRコードを印刷する方法があります。Webフォームで入力・登録した後、入場口のスタッフが印刷ボタンを押し、QRコードを紙でお渡しする運用です。スマートフォンを持たない作業員にも対応できます。

作業員の状況QRコードの受け取り方法
メールを受信できる登録したメールアドレスへQRコード情報を送信
スマートフォンはあるが、メールを使わない登録完了画面を画面キャプチャ、または受付端末のQRコードを撮影
スマートフォンを持っていない受付でQRコードを印刷し、紙で配布

Q. レシートプリンタは、どのメーカーでも使えますか?

バーコードリーダーを接続しているPCがWindowsの場合は、Windows用プリンタードライバーを提供するメーカーの機種が必要です。ハネソルで動作確認済みのメーカーがあるため、別途ご紹介できると回答しました。

具体的な機種や印刷設定については、利用するPCと組み合わせて、トライアル時に確認します。

化学プラントの入場受付カウンターで、ヘルメットと作業服を着用した当日参加の作業員が備え付けタブレットのWebフォームに入力し、受付スタッフが隣の小型レシートプリンターから出たQRコード付き用紙を渡している。カウンターにはノートPCもある。実在企業のロゴ・社名なし、画面に読める文字を入れない、横長16対9の写真品質のイメージ。
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5. 訪問先の証明は、紙のサインを残す運用も提案

Q. 点検場所への訪問証明を取得する良い方法はありますか?

点検場所に所属する社員が手持ちのスマートフォンをつかって、画面上での手書きサインを行う方法や、承認ボタンを押していただく運用が可能です。ただし、その場合は訪問先の社員一人ひとりに、キューRクラウドのアカウントを発行する必要があります。

今回のように、多数の部署へスポットで訪問する運用では、社員へのアカウント発行や操作の周知が負担になると考えました。そこでハネソルからは、QRコードを印刷したレシート用紙に訪問先の社員が手書きサインをし、退場時に門のスタッフがそのサインを確認する方法を提案しました。

入退場の記録と、訪問証明をそれぞれ使いやすい方法へ

入退場の履歴はQRコードで電子化し、訪問先の確認は紙のサインで残す。現場の負担を考え、既存の確認手順を活用する提案です。

  1. 受付で作業員を登録し、QRコード付き用紙を印刷する
  2. 門でQRコードを読み取り、入場を記録する
  3. 訪問先の社員に、用紙へ手書きサインをしてもらう
  4. 退場時にスタッフがサインを確認し、用紙を回収する
  5. QRコードの読み取りで退場も記録する
化学プラントの事務所で、ヘルメットと作業服を着用した訪問作業員が持参したQRコード付きのレシート用紙に、訪問先の社員がペンで手書きサインをしている場面。用紙のQRコードと筆記動作が分かる構図。実在企業のロゴ・社名なし、個人名や読める文字を入れない、横長16対9の写真品質のイメージ。
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6. 本番前に、受付スタッフの操作と通信環境をトライアルで確認する

Q. 本番前に無償トライアルでテストできますか?

現在はトライアル実施前の段階です。打ち合わせでは、本番のリハーサルを兼ねて、ぜひ実施いただきたいとお伝えしました。大勢の作業員が利用するため、入場口のスタッフのオペレーションも含めた確認が必要です。今回のご相談では、1か月程度を目安に、無償で試せる環境をご提供すると回答しました。

Q. トライアル用のバーコードリーダーをレンタルできますか?

レンタル対応が可能と回答しました。PCをお持ちの場合は、バーコードリーダーのみをレンタルする方法をご案内しました。

Q. 1日最大約1000名が入場する想定でも大丈夫ですか?

人数については問題ないと回答しました。ただし、現地でインターネット回線が安定して接続できることが前提となります。リハーサル時に、各門のネット回線の安定性をご確認いただくようお伝えしました。

登録する総人数に加えて、朝の入場時にどれほど集中するか、どの門へ何人が来るかも、実際の機器配置と受付手順を決めるための確認項目です。

トライアル・機器貸出の条件について

上記は今回の打ち合わせでご案内した内容です。具体的な試用期間、機器の貸出条件や手配については、ご相談時に確認します。

7. セキュリティ確認、データ出力、複数箇所からの閲覧

Q. 外部クラウドサービスの利用前に、社内のセキュリティチェックがあります。

打ち合わせでは、セキュリティチェックシートをご提示いただければ、事前に回答するとお伝えしました。その後、セキュリティチェックの審査は通過済みです。現在は、本番の受付手順や機器の動作を確認するトライアルの実施前となっています。

Q. 記録されたデータはダウンロードできますか?

CSVまたはExcel形式で出力できます。誰が、どのゲートから、いつ入場・退場したかといった読み取り記録を取り出せます。打ち合わせでは、出力件数に上限はないと回答しました。

Q. 読み取り記録は複数箇所から確認できますか?

キューRクラウドのログインアカウントを持つ担当者が、記録を確認できます。誤って登録されたデータや読み取り記録の削除には、管理者アカウントが必要です。

複数の門で記録した情報を共通の仕組みで確認し、必要に応じて出力することで、紙を集めて転記・集計する作業の軽減を目指せます。実際の閲覧担当者と管理者は、運用に合わせて決めます。

8. 今回の相談で重視したのは、現場で回る受付手順

今回の打ち合わせでは、QRコードで入退場を記録できるかだけでなく、当日参加する作業員をどう登録するか、メールやスマートフォンを持たない方にどうQRコードを渡すか、訪問先の証明をどう残すかまで確認しました。

入退場の記録を電子化する一方で、訪問先のサインは紙を活用する。そのうえで、各門の通信環境とスタッフの操作を本番前に試す。多数の作業員が出入りする期間限定の運用では、こうした準備が重要になります。

ハネソルでは、現在の紙の帳票や受付手順を伺いながら、キューRクラウドで記録する部分と、現場に合った確認方法を具体化していきます。

工場・プラントの作業員入退場管理についてご相談ください

「点検期間中の紙の記録を電子化したい」「複数の門で記録をまとめたい」「事前登録と当日受付の両方に対応したい」。現在の運用、対象人数、門の数、使用できる機器をもとにご相談いただけます。