落下防止ハーネスの使用開始日をQRコードで登録したい安全器具メーカーからの相談事例
ハネソル株式会社では、QRコードを活用した業務管理システム「キューRクラウド」を提供しています。キューRクラウドは、備品管理、貸出管理、入退場記録、配送管理、製品登録、点検記録など、紙やExcelで管理していた業務を、QRコードとWebデータベースで小さく電子化するためのサービスです。この記事では、建設現場で使われる安全器具を製造しているメーカーから寄せられた、落下防止用ハーネスの使用開始日登録に関する相談事例を紹介します。
今回の相談は、製品を販売した後、メーカー側が使用開始日を把握できないという課題から始まりました。
安全器具には、製品ごとに保証期間や使用目安が設定されている場合があります。しかし、その起点が「出荷日」ではなく「使用開始日」である場合、メーカー側だけでは正確な期限管理ができません。
購入者がいつ製品を使い始めたのか。その情報を、ハガキではなくQRコードで登録できないか。このような相談をもとに、キューRクラウドを使った製品登録フォームと、製品ごとのユニークQRコード運用を提案しました。
1. 建設用安全器具メーカーからの相談
1-1. 相談者は製品管理部門の責任者
ご相談いただいたのは、建設現場などで使われる安全器具を製造しているメーカーの製品管理部門の方でした。
同社では、作業員用のヘルメット、胴綱、落下防止用ハーネスなど、建設現場で使用される安全器具を取り扱っていました。
その中でも、今回の相談対象となったのは、落下防止用ハーネスです。
ハーネスは、作業員の安全に関わる重要な製品です。製品には保証期間や使用上の目安が設定されており、メーカーとしても、適切な使用と買い替えを促していきたいという考えがありました。
1-2. 販売後の使用開始日が分からない
安全器具の場合、製品によっては使用開始日を起点にした保証期間や使用目安が設定されます。
しかし、メーカーが把握できるのは、基本的には製造日や出荷日、販売日までです。実際に購入者がいつ開封し、いつ現場で使用を開始したのかまでは、販売後のメーカー側では分かりません。
たとえば、製品が販売代理店を経由して購入者に届いた場合、メーカーから見れば出荷日は分かっても、実際の使用開始日は分かりません。購入後すぐに使われることもあれば、予備品として倉庫に保管され、数か月後またはそれ以上経ってから使われることもあります。
このため、メーカーとしては「使用開始日から何年が経過したか」を正確に把握できない状態でした。
2. 現在の管理方法は、登録用ハガキの同封だった
2-1. 製品に登録用ハガキを同封していた
相談時点では、製品に登録用ハガキを同封する方法が採用されていました。
購入者がハガキに必要事項を記入し、メーカーに返送することで、使用者情報や使用開始日を登録してもらう運用です。
この方法は、昔から多くのメーカーで使われてきた方法です。製品保証、ユーザー登録、アフターフォロー、リコール時の連絡などを目的として、紙の登録ハガキを同封することがあります。
しかし、現実には、ハガキを返送してもらうことは簡単ではありません。
2-2. 登録ハガキの返送率は非常に低かった
今回の相談では、登録用ハガキの返送率が非常に低いことが課題になっていました。
担当者の方の感覚では、返送される数は全体の1%未満で、事実上、使用開始日を把握する仕組みとしては機能していない状態でした。
購入者側から見れば、ハガキを記入して投函する作業は手間です。会社名、担当者名、住所、電話番号、製品情報、使用開始日などを書き込む必要があります。さらに、ポストへ投函しなければなりません。
安全器具は現場で使う実用品です。購入した側にとっては、登録ハガキを返送することよりも、すぐに使用できる状態にすることの方が優先されます。
登録用ハガキで起きやすい課題
- 購入者がハガキを記入して投函する手間がある
- 返送率が低く、使用開始日を把握しにくい
- 手書き文字や製品番号の読み取りミスが起きる
- ハガキの内容を社内で転記・入力する作業が発生する
- 登録情報を後から検索・集計しにくい
- 製品ごとの買い替え案内や点検案内につなげにくい
3. 困っていたことは、保証期間の起点が曖昧になること
3-1. 販売日からのカウントだけでは不十分だった
メーカー側では、出荷日や販売日は管理できます。
しかし、落下防止用ハーネスのような安全器具では、問題になるのは「いつ販売されたか」だけではありません。
購入者がいつ使い始めたのか。どの製品が、どの時点から現場で使用されているのか。この情報が分からなければ、使用開始日を起点にした保証期間や買い替えタイミングを判断することができません。
もちろん、使用期限を少し過ぎたからといって、直ちに安全性が大きく低下するという単純な話ではありません。実際には、使用状況、保管状態、点検結果、損傷の有無なども重要です。
それでも、メーカーとしては、出荷後の製品がどの程度使用されているのか、保証期間や買い替え目安に近づいているのかを把握したいという思いがありました。
3-2. メーカーとして安全面のアフターフォローを行いたい
今回の相談の背景には、単なる販売促進だけではなく、安全面のアフターフォローという目的がありました。
建設現場で使われる安全器具は、作業員の命に関わる製品です。
メーカーとして保証期間を表示していても、販売後の使用開始日が分からなければ、適切なタイミングで案内することができません。
たとえば、使用開始日から所定年数が経過した製品について、購入者へ通知する。保証期間や使用目安に近づいた製品について、点検や買い替えを案内する。このようなフォローを行うためには、まず製品ごとの使用開始日を登録してもらう必要があります。
4. お客様が実際に使った言葉
4-1. 使用開始日を知る方法を探していた
今回の問い合わせでは、担当者の方から次のような相談がありました。
「弊社は安全器具を製造するメーカーです。使用開始日を知る方法を探しています。QRコードで何かできないかを思い、打ち合わせ希望です。」
さらに、具体的な対象製品については、次のような説明がありました。
「管理したいのは落下防止ハーネスです。ハーネスのベルト部にQRコードを印刷するスペースがあります。QRコードを使って使用開始日を登録するような運用とかできますか?」
4-2. 新製品1,000個で試したいという具体的な計画があった
相談時には、トライアルの規模も具体的でした。
新製品を発売する予定があり、まずは1,000個分を生産する計画がありました。その1,000個分からQRコード登録を試し、その後の生産分や他製品にも展開できないかを検討したいという内容です。
最初から全製品へ一気に導入するのではなく、新製品の一部ロットで試し、運用上の課題や登録率を確認してから広げていく考え方でした。
5. 最初に検討していた方法
5-1. ハガキからオンライン登録へ切り替えたいという発想
お客様が最初に考えていたのは、ハガキによるユーザー登録を、オンライン方式へ切り替えることでした。
紙のハガキでは返送率が低い。それなら、スマートフォンでQRコードを読み取って、Webフォームから登録できるようにすれば、登録のハードルを下げられるのではないか。このような発想です。
現在では、多くの人がスマートフォンを使っています。製品にQRコードが印刷されていれば、読み取ってフォームにアクセスすること自体は難しくありません。
ハガキに手書きして投函するよりも、スマートフォンで入力する方が、心理的な負担は小さくなる可能性があります。
5-2. 製品本体にQRコードを印刷できる余地があった
今回の相談で重要だったのは、落下防止用ハーネス本体にQRコードを印刷できるスペースがあるという点でした。
製品に同封する紙ではなく、製品そのものにQRコードを付けることができます。
これは、運用上大きな意味があります。ハガキは箱を開けたときに捨てられてしまう可能性があります。説明書と一緒に保管され、実際の使用現場には持ち込まれないこともあります。
一方、製品本体にQRコードがあれば、使用開始時や点検時に読み取ってもらう導線を作りやすくなります。
6. ハネソル側で提案した考え方
6-1. ハガキの代わりに、製品本体のQRコードからWebフォームを開く
ハネソル側で提案したのは、製品本体に印刷されたQRコードを読み取ると、専用のWebフォームが立ち上がる仕組みです。
購入者は、ハガキに記入して返送する代わりに、スマートフォンでQRコードを読み取ります。すると、製品登録用のWebフォームが表示されます。
そのフォームから、使用開始日、会社名、担当者名、連絡先、設置または使用現場の情報などを登録してもらいます。
これにより、ハガキ返送よりも登録作業のハードルを下げることを狙いました。
6-2. 製品ごとに異なるユニークQRコードを発行する
もう一つ重要なのは、すべての製品に同じQRコードを印刷するのではなく、製品ごとに異なるユニークQRコードを発行することです。
製品ごとに異なるQRコードを付けることで、システム上では「どの製品が登録されたのか」を判別できます。
たとえば、シリアル番号や製造番号に相当する情報をあらかじめQRコードに紐づけておきます。購入者がQRコードを読み取ると、Webフォーム側では、その製品のシリアル番号を自動的に認識できます。
これにより、購入者がシリアル番号を手入力する必要がなくなります。手入力のミスを減らせるだけでなく、登録された情報と製品単位の管理データを正確に結びつけることができます。
6-3. メーカー名やブランド名を表示した専用フォームを用意する
今回のような製品登録では、汎用的な入力フォームではなく、メーカー名やブランド名が表示された専用フォームにすることも重要です。
購入者がQRコードを読み取ったとき、見慣れないフォームが表示されると、不安を感じる可能性があります。
本当にメーカー公式の登録画面なのか。個人情報を入力してよいのか。何のための登録なのか。このような不安を減らすために、専用フォーム上には、メーカー名、ブランド名、対象製品名、登録目的を分かりやすく表示する設計を提案しました。
7. キューRクラウドで実現できる運用の流れ
7-1. 製造計画が決まった段階でシリアル番号一覧を作成する
今回のトライアルでは、新製品を1,000個生産する予定でした。
そのため、まずは1,000個分のシリアル番号一覧をExcelで作成します。このExcel一覧が、キューRクラウド側でQRコードを発行するための元データになります。
たとえば、次のような項目を用意します。
- 製品名
- 型番
- シリアル番号
- 製造ロット
- 製造年月
- 出荷予定日
- 登録状況
- 使用開始日
- 登録者情報
- 備考
このように、製品1個につき1行のデータとして整理しておきます。
7-2. シリアル番号ごとにQRコード画像を発行する
シリアル番号一覧ができたら、そのデータをもとに、シリアル番号ごとのQRコード画像を発行します。
今回の運用では、お客様からシリアル番号一覧データをメールで送っていただき、ハネソル側で専用QRコード画像を準備してお渡しする流れを想定しました。
製品ごとに異なるQRコード画像を用意することで、それぞれの製品を個別に管理できます。1,000個の製品であれば、1,000個分のQRコードを発行します。
そのQRコードを製品本体やラベル、ベルト部の印刷スペースに印刷してもらうことで、製品ごとの登録導線を作ります。
7-3. 製品出荷時にQRコードを印刷する工程を組み込む
製品登録用のQRコードは、後から貼る方法もありますが、今回のように製品本体に印刷スペースがある場合は、出荷前の製造工程に組み込む方法が考えられます。
製品本体やラベル部分に、あらかじめQRコードを印刷しておく。箱や説明書ではなく、製品そのものにQRコードを付ける。
これにより、購入者が使用開始時にQRコードを見つけやすくなります。また、点検時や管理時にも同じQRコードを読み取ることができるため、単なる初回登録だけでなく、将来的な点検履歴管理にも展開しやすくなります。
8. 購入者側の登録フロー
8-1. 製品本体のQRコードを読み取る
購入者側の操作は、できるだけ簡単にする必要があります。
まず、購入者または現場管理者が、落下防止用ハーネス本体に印刷されたQRコードをスマートフォンで読み取ります。QRコードを読み取ると、製品登録用のWebフォームが開きます。
この時点で、Webフォームには対象製品のシリアル番号が紐づいています。購入者は、シリアル番号を入力する必要がありません。
8-2. 使用開始日と必要情報を入力する
Webフォームでは、使用開始日を入力してもらいます。
あわせて、必要に応じて次のような情報を登録できます。
- 会社名
- 部署名
- 担当者名
- メールアドレス
- 電話番号
- 使用開始日
- 使用予定現場
- 購入先
- 備考
登録項目は多くしすぎると、入力の負担が増えます。そのため、最初の運用では、本当に必要な項目に絞ることが重要です。
特に、登録率を高めたい場合は、入力項目をできるだけ少なくする設計が必要になります。
8-3. 登録完了後、メーカー側で登録状況を確認する
購入者がWebフォームから登録すると、キューRクラウド側に登録データが保存されます。
メーカー側は、管理画面からシリアル番号一覧を確認できます。どの製品が登録済みなのか。どの製品が未登録なのか。登録された使用開始日はいつなのか。どの購入者または使用者が登録したのか。このような情報を確認できるようになります。
- 購入者が製品本体のQRコードを読み取る
- 製品登録用の専用Webフォームが開く
- シリアル番号があらかじめ紐づいた状態で表示される
- 使用開始日、会社名、連絡先などを入力する
- 登録情報がキューRクラウドに保存される
- メーカー側が管理画面で登録状況を確認する
9. 管理画面で確認できること
9-1. 製品ごとの登録状況を確認する
キューRクラウドでは、製品ごとのシリアル番号一覧をWebデータベースとして管理できます。
管理者は、PCの管理画面から登録状況を確認します。たとえば、1,000個分の製品のうち、どれだけが登録されたのかを一覧で確認できます。
登録済みの製品には、使用開始日や登録者情報が表示されます。未登録の製品は、登録日が空欄のままになります。
これにより、紙のハガキが返送されるのを待つだけの状態から、オンラインで登録状況を確認できる状態へ移行できます。
9-2. 使用開始日から所定年数が経過した製品を抽出する
使用開始日が登録されると、その日付を起点に、保証期間や買い替え案内の対象を抽出できます。
たとえば、使用開始日から所定年数が近づいた製品を一覧で確認する。使用開始日から一定期間を超えた製品について、登録者に案内メールを送る。このような運用が可能になります。
もちろん、使用期限や保証期間の扱いは、製品の種類、メーカーの方針、業界基準、点検結果などによって異なります。
そのため、システム上では「一律に危険と判断する」のではなく、「使用開始日から一定期間が経過した製品を抽出し、点検や買い替えの案内につなげる」形が現実的です。
| 管理項目 | 紙の登録ハガキ | QRコード登録 |
|---|---|---|
| 登録方法 | 手書きして郵送 | スマートフォンでQRコードを読み取り、Webフォームから登録 |
| 製品識別 | 購入者が品番や番号を記入 | QRコードにシリアル番号を紐づけ可能 |
| 入力ミス | 手書き文字や番号の誤記が起きやすい | 手入力項目を減らせる |
| 登録状況 | ハガキが届くまで分からない | 管理画面で登録状況を確認できる |
| 集計 | 転記や手入力が必要 | Webデータとして検索・集計しやすい |
| フォロー | 住所や連絡先をもとに個別対応 | 使用開始日をもとに案内しやすい |
10. 導入前に整理しておきたいこと
10-1. QRコードを製品単位で発行するか、ロット単位で発行するか
製品登録用のQRコードを作る場合、まず決めるべきことは、QRコードをどの単位で発行するかです。
製品1個ごとに異なるQRコードを発行するのか。製造ロット単位で同じQRコードにするのか。製品型番ごとに同じQRコードにするのか。
今回のように、使用開始日を製品単位で把握したい場合は、製品ごとに異なるユニークQRコードを発行する方法が向いています。
一方、単に説明書ページや登録フォームへ誘導したいだけであれば、共通QRコードでも対応できます。目的によって、QRコードの設計は変わります。
10-2. 購入者に何を入力してもらうか
次に重要なのは、Webフォームの入力項目です。
メーカー側としては、多くの情報を取得したくなります。しかし、入力項目が多いほど、購入者の負担は大きくなります。
登録率を高めたい場合は、最初は最低限の項目に絞ることが重要です。
たとえば、使用開始日、会社名、メールアドレス程度から始める方法もあります。必要に応じて、後から入力項目を増やすこともできます。
10-3. QRコードを読んでもらう理由を明確にする
QRコードを製品に印刷しても、購入者が必ず読み取ってくれるとは限りません。
ここは非常に重要な点です。紙のハガキが返送されにくいのと同じように、QRコードも、ただ印刷しただけでは読み取ってもらえない可能性があります。
購入者にQRコードを読み取ってもらうためには、運用面での仕掛けが必要です。
QRコードを読み取ってもらうための工夫
- 登録すると保証情報を確認できる
- 登録すると点検時期のお知らせを受け取れる
- 登録すると取扱説明書や点検表を確認できる
- 登録すると買い替え時期の案内を受け取れる
- 製品管理台帳として登録情報を利用できる
- 現場管理者が保有製品を一覧管理できる
QRコードは、あくまで登録画面へつなぐ入口です。その入口を使ってもらうためには、購入者側にも登録するメリットが必要になります。
11. 同じような課題を持ちやすい業種
11-1. ハガキによるユーザー登録を行っているメーカー
今回の仕組みは、建設用安全器具メーカーだけに限られるものではありません。
ハガキによるユーザー登録を行っているメーカーでは、同じような課題が起きやすいと考えられます。
たとえば、製品を販売した後、購入者情報や使用開始日を把握したい企業です。紙のハガキを同封しているものの、返送率が低く、実際には登録情報が集まっていない。このような場合、QRコードを使ったWeb登録への切り替えを検討できます。
11-2. 出荷後のアフターフォローが必要な製品
QRコード登録は、出荷後のアフターフォローが必要な製品にも向いています。
たとえば、次のような業種です。
- 建設用安全器具メーカー
- 工具メーカー
- 作業用品メーカー
- 防災用品メーカー
- 業務用機器メーカー
- 医療・介護関連用品メーカー
- 点検や交換時期がある消耗品メーカー
- 販売後にメンテナンス案内が必要な製品メーカー
- 代理店経由で販売される業務用品メーカー
これらの業種では、製品を販売した後も、点検、交換、保証、保守、買い替え案内などの接点が必要になることがあります。
そのため、製品ごとのQRコードを使って、購入者や使用開始日を登録してもらう仕組みが活用できます。
12. QRコード登録だけで登録率が上がるとは限らない
12-1. 登録率向上には、システム以外の工夫が必要
ここで、実務上の注意点もあります。
ハガキをWebフォームに置き換え、QRコードを付けたからといって、それだけで登録率が劇的に上がるとは限りません。
これは、ハネソル側でも感じている重要な点です。
購入者にとって、登録作業は必ずしも優先度の高い行動ではありません。製品を購入したら、すぐに使いたい。登録作業は後回しになる。説明書や同封物は読まれない。このようなことは、十分に起こります。
そのため、QRコード登録を導入する場合は、システムだけでなく、登録してもらうための導線設計が必要です。
12-2. 登録するメリットを購入者に伝える
購入者にQRコードを読み取ってもらうには、「なぜ登録する必要があるのか」を明確に伝える必要があります。
たとえば、次のような案内文を製品やパッケージに表示する方法があります。
- 使用開始日を登録すると、点検時期や交換目安の確認に利用できます
- 安全にご使用いただくため、使用開始日の登録をお願いします
- 登録後、製品情報、取扱説明書、点検項目を確認できます
このように、単なるメーカー側の情報収集ではなく、購入者側にもメリットがある形にすることが重要です。
13. 小さく始めるなら、新製品1,000個のトライアルが現実的
13-1. 最初から全製品に広げない
今回の相談では、新製品を1,000個生産する予定がありました。
そのため、最初から全製品へ展開するのではなく、新製品1,000個分でトライアルする方法を提案しました。
この方法であれば、QRコード印刷工程に無理がないか、製品本体のQRコードが読み取りやすいか、Webフォームの入力項目が適切かを確認できます。
13-2. トライアルで登録率と運用課題を確認する
トライアルでは、次のような点を検証できます。
- 購入者が実際に登録してくれるか
- 登録率はどの程度か
- 登録フォームの入力項目が多すぎないか
- QRコードの印刷位置は分かりやすいか
- 管理画面で必要な情報を確認できるか
- 使用開始日をもとにした案内が可能か
トライアルの結果を見ながら、入力項目、案内文、登録導線、QRコードの印刷位置などを改善できます。そのうえで、他製品や次回生産分へ展開していく流れが現実的です。
14. まとめ:使用開始日を知りたい製品には、製品単位のQRコード登録が使える
今回の相談は、建設現場で使われる落下防止用ハーネスについて、使用開始日を把握したいという安全器具メーカーからの相談でした。
従来は、製品に登録用ハガキを同封していました。しかし、ハガキの返送率は非常に低く、実際には使用開始日を把握する仕組みとして十分に機能していませんでした。
メーカーとしては、製品の保証期間や買い替え目安を案内したい。しかし、購入者がいつ使用を開始したのかが分からない。この課題に対して、ハネソルでは、製品ごとに異なるユニークQRコードを発行し、製品本体に印刷してもらう方法を提案しました。
購入者がQRコードを読み取ると、専用のWebフォームが表示されます。Webフォームでは、あらかじめ製品のシリアル番号が紐づいた状態になっており、購入者は使用開始日や必要情報を登録します。
登録された情報は、キューRクラウド上で製品ごとのデータとして管理できます。メーカー側は、どの製品が登録されたのか、使用開始日はいつなのか、所定年数が経過した製品はどれかを確認できます。
この仕組みは、ハガキによるユーザー登録を行っているメーカー、出荷後のアフターフォローが必要な製品メーカー、使用開始日や点検時期を把握したい業務用品メーカーに応用できます。
ただし、QRコードを付けるだけで登録率が必ず上がるわけではありません。購入者にQRコードを読み取ってもらうためには、登録する理由やメリットを分かりやすく伝える必要があります。
QRコードは、製品とWebデータベースをつなぐ入口です。その入口をどう使ってもらうか。ここまで含めて設計することで、紙のハガキでは集めにくかった使用開始日や製品登録情報を、メーカー側のアフターフォローに活用できるようになります。
製品登録・使用開始日管理をQRコードで始めませんか
「製品に同封している登録ハガキがほとんど返送されない」「使用開始日を把握できないため、保証期間や買い替え案内が出しにくい」「製品ごとのシリアル番号と購入者情報を結びつけたい」「新製品の出荷に合わせて、QRコード登録を試してみたい」。このような課題がありましたら、キューRクラウドを使って、製品単位のQRコード登録フォームを構築できます。
まずは、製品名、シリアル番号、製造ロットなどをExcelで整理するところから始められます。
ハネソルでは、現在の製品管理方法、登録ハガキの運用、出荷工程、QRコードの印刷方法に合わせて、現実的な導入方法をご提案します。