500名規模の海外招待旅行で紙のネームストラップ案内をデジタル化したい旅行会社からの相談事例
ハネソル株式会社では、QRコードを活用した業務管理システム「キューRクラウド」を提供しています。この記事では、大手旅行会社の法人向け部門から寄せられた、海外招待旅行における参加者案内のデジタル化に関する相談事例を紹介します。
今回の相談は、企業主催の海外招待旅行で、参加者一人ひとりに伝える必要がある情報を、これまでの紙媒体中心の案内から、QRコードを活用したデジタル表示へ移行できないかという内容でした。
旅行業務では、参加者全員に共通して伝える情報だけでなく、参加者ごとに異なる情報を正確に案内する必要があります。特に、バスの号車、レストランの卓番号、パーティーの席次、集合場所、集合時間などは、参加者によって異なる場合があります。
紙に印刷して配布する方法は分かりやすい一方で、現地で変更が発生した場合に対応しづらいという大きな課題があります。
1. 相談者は、海外ツアーの運営設計を担当する旅行会社の担当者
1-1. 法人向け海外ツアーの運営設計に関する相談
ご相談いただいたのは、大手旅行会社の法人向け部門で、海外ツアーの運営設計を担当されている方でした。
対象となる案件は、企業主催のお客様招待旅行です。行き先は海外で、参加人数は500名から600名程度という大規模なツアーでした。
このような招待旅行では、通常の個人旅行とは違い、旅行会社側が現地で多くの案内業務を担う必要があります。
1-2. 参加者ごとに異なる情報を正確に伝える必要がある
旅行会社側が参加者に案内する情報には、全員共通の内容だけでなく、参加者ごとに異なる内容も含まれます。
たとえば、次のような情報です。
- どのバスに乗るのか
- 何日目にどの号車を使うのか
- レストランではどの卓に座るのか
- パーティー会場ではどの卓に座るのか
- 集合場所や集合時間はどこか
- 変更があった場合に、最新情報をどう伝えるか
参加者が数十名規模であれば、添乗員や現地スタッフが個別に案内することも可能かもしれません。しかし、500名から600名規模になると、紙の案内や口頭連絡だけで正確に情報を伝えるには限界があります。
2. これまでは、ネームストラップの裏面に必要情報を印字していた
2-1. 名札と個人別案内を兼ねたネームストラップ
過去の同様のツアーでは、参加者に配布するネームストラップに、名札としての役割と、個人別の案内情報を記載する役割を持たせていました。
ネームストラップには、参加者の名前だけでなく、バス号車、レストランの卓番号、パーティーの卓番号など、現地で必要になる情報を印字していました。
名札を兼ねたネームストラップであれば、参加者が常に身に着けてくれる可能性が高く、単なる紙の案内よりも紛失しにくいというメリットがあります。
2-2. 印字できる情報量と見やすさに限界がある
一方で、ネームストラップに印字できる情報量には限りがあります。参加者ごとに異なる情報を限られたスペースにまとめる必要があるため、見やすさには限界がありました。
- 文字数が限られる
- 情報量が多いと見づらくなる
- 小さな文字になりやすい
- 複数日程分のバス号車などを載せると複雑になる
- 変更があっても印刷済みの内容を直せない
特に、5日間分のバス号車や食事会場の卓番号などを印字しようとすると、どうしても情報が詰め込まれ、参加者にとって分かりやすい案内とは言いづらい状態になりがちです。
3. 最大の課題は、現地での変更に対応できないこと
3-1. 海外ツアーでは現地で予定変更が起こり得る
紙やネームストラップ印字による案内で最も大きな課題は、現地で変更が発生した場合に対応しづらいことです。
海外ツアーでは、出発前にかなり細かく予定を組んでいても、現地でさまざまな変更が発生することがあります。
たとえば、参加者の体調不良により、一部の方が当日の食事やパーティーに参加できなくなることがあります。その場合、レストランやパーティーの卓ごとの人数が変わり、卓番号や席割りを変更する必要が出るかもしれません。
また、バスの乗車割り、集合場所、出発時間、現地での移動順序なども、状況によって変更される可能性があります。
3-2. 印刷済みの情報は、その場で修正しづらい
紙に印刷した案内やネームストラップの裏面情報は、一度配布してしまうと変更できません。変更が発生した場合は、添乗員や現地スタッフが口頭で伝えたり、メモを渡したり、電話やメッセージで個別連絡したりする必要があります。
しかし、参加者が500名から600名規模になると、全員に正確な変更情報を伝えることは簡単ではありません。
紙案内で起こりやすい課題
- 印刷後の変更に対応しづらい
- 参加者ごとに違う情報を個別連絡する負担が大きい
- メモや電話連絡では伝達漏れが起こる可能性がある
- 現地スタッフへの問い合わせが集中しやすい
- 参加者自身が最新情報を確認しづらい
4. 全体周知だけでは、個人別の変更情報を伝えにくい
4-1. 共通の電子掲示板だけでは不足する場合がある
現地での連絡方法として、全体向けの掲示板や一斉連絡を使う方法も考えられます。たとえば、共通のWebページや電子掲示板に、最新の集合時間や全体案内を掲載する方法です。
この方法は、全員に同じ内容を伝える場合には有効です。しかし、今回の相談で必要とされていたのは、全体周知だけではありませんでした。
参加者ごとに異なる情報を、個人別に表示したいというニーズがありました。
4-2. 個人別情報は、本人が自分で確認できる形が望ましい
たとえば、次のような情報は、全員に公開するよりも、参加者本人だけが確認できる形の方が適している場合があります。
- Aさんは1日目が1号車、2日目が3号車
- Bさんはレストランでは5番卓
- Cさんはパーティー会場では12番卓
- Dさんだけ集合場所が一部変更
- 体調不良者が出たため、一部の卓番号を変更
このような情報は、プライバシーや混乱防止の観点からも、個別に表示できる方が望ましいケースがあります。
5. ハネソル側で整理した業務要件
5-1. 紙の案内をWebページに置き換えるだけではない
ご相談内容を確認したうえで、ハネソル側では、今回必要とされている仕組みを次のように整理しました。
重要なのは、単に紙の案内をWebページに置き換えることではありません。必要なのは、参加者一人ひとりに紐づいた情報を、本人がQRコードから確認できる仕組みです。
5-2. 参加者ごとに個別情報を登録し、本人用QRコードから表示する
そのためには、まず参加者データを事前に登録します。そのうえで、参加者ごとに、バス号車、レストラン卓番号、パーティー卓番号、集合場所、注意事項などの情報を登録しておきます。
参加者には、自分専用のQRコードを配布します。参加者がそのQRコードをスマートフォンで読み取ると、自分に関係する案内情報を確認できます。
この仕組みによって、参加者は紙に印字された固定情報ではなく、最新の登録情報を確認できるようになります。
運営側が管理画面で情報を更新すれば、参加者が次にQRコードを読み取ったときに、更新後の情報を確認できます。
- 参加者データ
- 氏名、所属、参加区分など、参加者ごとの基本情報を登録します。
- 個人別案内情報
- バス号車、卓番号、集合場所、注意事項など、参加者ごとに異なる情報を登録します。
- 本人用QRコード
- 参加者本人が自分の案内情報を確認するためのQRコードを発行します。
6. キューRクラウドで想定できる運用の流れ
6-1. 参加者データを登録し、出発前に決まっている情報を投入する
キューRクラウドを使った場合、海外招待旅行の参加者案内では、まず旅行会社や主催企業側で参加者データを事前に用意します。
氏名、所属、参加区分、バス号車、食事会場の卓番号、パーティー卓番号など、案内に必要な情報を整理します。
そのデータをキューRクラウドに登録し、参加者ごとにQRコードを発行します。
6-2. QRコード付きネームストラップを配布する
発行したQRコードは、ネームストラップや名札、案内カードなどに印刷して、出発前または現地到着時に参加者へ配布します。
参加者には、次のように案内します。
「現地で自分のバス号車や卓番号を確認したい場合は、ネームストラップのQRコードを読み取ってください」
「現地で変更が発生する場合があるため、紙に印字された情報ではなく、QRコードで表示される最新情報を確認してください」
このように事前に説明しておくことで、参加者は自分のスマートフォンから、自分に関係する情報を確認できます。
6-3. 現地変更は管理画面から更新する
運営側では、現地で変更が発生した場合に、管理画面上で該当者の情報を更新します。更新後、参加者がQRコードを読み取れば、変更後の情報が表示されます。
- 参加者データを事前に整理する
- バス号車、卓番号、集合場所などの個別情報を登録する
- 参加者ごとにQRコードを発行する
- ネームストラップや名札にQRコードを印刷する
- 参加者へQRコード付きネームストラップを配布する
- 参加者は自分のQRコードを読み取り、個人別の案内情報を確認する
- 現地で変更があった場合、運営側が管理画面から情報を更新する
- 参加者は再度QRコードを読み取り、最新情報を確認する
7. 紙の案内を完全になくすのではなく、QRコードを最新情報の確認先にする
7-1. 紙とデジタルの役割を分ける
このような運用では、紙の案内を完全になくす必要はありません。むしろ、海外旅行や団体旅行では、紙の案内があった方が安心できる場面もあります。
大切なのは、紙にすべての情報を詰め込むのではなく、紙やネームストラップには最低限の情報とQRコードを掲載し、詳細情報や変更情報はQRコードから確認する形にすることです。
7-2. ネームストラップには最低限の情報を掲載する
たとえば、ネームストラップには次のような情報だけを載せます。
- 氏名
- ツアー名またはグループ名
- 緊急時の案内先
- 本人用QRコード
詳細なバス号車、日別の集合場所、レストラン卓番号、パーティー卓番号などは、QRコードを読み取った先に表示します。
この形であれば、ネームストラップ自体はシンプルに保ちながら、参加者ごとの詳細情報をデジタルで案内できます。また、変更が発生した場合も、紙を再印刷するのではなく、データを更新することで対応できます。
8. 個人別の案内ページにすることで、プライバシーにも配慮しやすい
8-1. 全体掲示板ではなく、本人用の案内情報を表示する
今回の相談で重要だったのは、全体掲示板ではなく、個人別に情報を表示したいという点です。
大人数の旅行では、参加者全員に同じ情報を見せるだけでは不十分な場面があります。一人ひとりのバス号車や卓番号、変更内容を、本人が自分で確認できる仕組みが必要です。
QRコードを個人別に発行すれば、参加者ごとに異なる情報を表示できます。
8-2. Excelの参加者一覧から、自分の行だけを見られるようなイメージ
たとえば、AさんのQRコードを読み取るとAさん用の案内情報が表示され、BさんのQRコードを読み取るとBさん用の案内情報が表示される、という運用です。
これは、Excelの参加者一覧から自分の行だけを見られるようにするイメージに近いものです。
全体案内は共通ページで伝え、個人別の情報は本人用QRコードから確認する。このように役割を分けることで、プライバシーに配慮しながら、必要な情報を正確に伝えやすくなります。
| 案内方法 | 向いている情報 | 課題 |
|---|---|---|
| 紙のしおり | 全体行程、注意事項、集合場所の基本情報 | 現地変更の反映が難しい |
| 共通掲示板 | 全員向けのお知らせ、共通変更事項 | 個人別の卓番号や号車情報には使いにくい |
| 個人別QRコード | 参加者ごとのバス号車、卓番号、個別案内 | 事前の参加者データ整理と運用ルールが必要 |
9. 現地での急な変更に対応しやすくなる
9-1. 変更情報をデータ更新で反映する
海外ツアーや大人数の招待旅行では、現地での変更対応が避けられません。
体調不良、移動時間の変更、交通事情、会場側の都合、参加人数の変動などにより、出発前に決めた内容が変わることがあります。
紙の案内だけの場合、変更が発生するたびに、添乗員や現地スタッフが個別に連絡する必要があります。
一方で、QRコードを使ったデジタル案内であれば、運営側が該当する参加者の情報を更新することで、最新情報を表示できます。
9-2. 個別変更にも対応しやすい
特に、次のような変更に対応しやすくなります。
- バス号車の変更
- レストラン卓番号の変更
- パーティー卓番号の変更
- 集合場所の変更
- 集合時間の変更
- 個別の注意事項の追加
- 一部参加者への個別案内
もちろん、緊急性の高い連絡は、電話や直接案内も必要です。しかし、全体の案内情報を最新化する場所として、QRコードで確認できる個人別ページを用意しておくことは、現地運営の負担軽減につながります。
10. 参加者にとっても、自分の情報をいつでも確認できるメリットがある
10-1. 小さな印字を探す負担を減らせる
この仕組みは、運営側だけでなく、参加者にとってもメリットがあります。
紙のネームストラップに細かい情報が小さく印字されている場合、参加者は必要な情報を探すだけでも負担を感じることがあります。
特に、高齢の参加者や、慣れない海外旅行に参加している方にとっては、情報が見づらいこと自体が不安につながる可能性があります。
10-2. 必要なときに自分で最新情報を確認できる
QRコードを読み取って、自分に必要な情報が画面に分かりやすく表示されれば、参加者は必要なときに自分で確認できます。
- 今日乗るバスは何号車か
- レストランでは何番卓か
- パーティー会場ではどの席か
- 次の集合時間は何時か
- 集合場所はどこか
- 変更後の最新情報は何か
このように、参加者自身が自分の情報を確認できることは、現地スタッフへの問い合わせ削減にもつながります。
11. 導入前に整理しておきたいこと
11-1. 表示したい情報と、変更される可能性がある情報を分ける
海外招待旅行や大人数ツアーでQRコードを使った個人別案内を行う場合、導入前に整理しておきたい点があります。
まず、参加者ごとに表示したい情報を決める必要があります。バス号車、卓番号、集合場所、集合時間、緊急連絡先、注意事項など、どの情報を表示するのかを事前に整理します。
次に、どの情報が変更される可能性があるのかを考えます。たとえば、バス号車や卓番号は現地で変更される可能性があります。一方で、参加者名や所属などは基本的に変更されない情報です。
変更される可能性がある項目を明確にしておくことで、現地での更新作業がしやすくなります。
11-2. QRコードをどこに印刷するか
また、QRコードをどこに印刷するかも重要です。
- ネームストラップ
- 名札
- しおり
- 案内カード
- 封筒
- 参加者証
紛失しにくく、参加者がすぐ確認できる場所にQRコードを配置する必要があります。
11-3. 現地で誰が情報を更新するか
さらに、現地で誰が情報を更新するのかも決めておく必要があります。
旅行会社の担当者が更新するのか。主催企業側の担当者が更新するのか。現地スタッフが更新するのか。
更新権限や運用ルールを事前に決めておくことで、現地での混乱を防ぎやすくなります。
導入前に確認したい項目
- 参加者数
- 表示したい個人別情報
- 現地で変更される可能性がある項目
- QRコードを印刷する媒体
- 参加者への事前説明方法
- 現地で情報を更新する担当者
- 全体案内と個人別案内の使い分け
- 緊急連絡が必要な場合の別手段
12. 同じような悩みを持ちやすい業務
12-1. 旅行業界だけでなく、大人数移動やイベント運営にも応用できる
今回の相談は海外招待旅行の事例でしたが、同じような課題は旅行業界に限りません。
大人数が外出先や会場に移動し、参加者ごとに異なる案内情報を伝える必要がある場面では、同じような仕組みが役立つ可能性があります。
- 国内団体旅行
- 海外団体旅行
- 企業の招待旅行
- 報奨旅行
- 研修旅行
- 修学旅行
- 視察ツアー
- 大規模イベント
- 展示会の来場者案内
- 学会やセミナーの参加者案内
- スポーツ大会の選手・関係者案内
- 工場見学や施設見学の参加者管理
これらの業務では、全員に共通する案内だけでなく、個人やグループごとに異なる情報を伝える必要があります。
紙の案内だけでは変更に弱く、共通掲示板だけでは個別情報を扱いにくい。そのような場合に、個人別QRコードを使った情報表示は有効な選択肢になります。
13. まとめ:大人数ツアーの個人別案内を、紙から更新できるデジタル情報へ
大人数の海外招待旅行では、参加者一人ひとりに正確な案内情報を伝える必要があります。
これまでのように、ネームストラップや紙の案内にバス号車、卓番号、集合場所などを印字する方法は、分かりやすい一方で、情報量や見やすさに限界があります。
さらに、現地で変更が発生した場合、印刷済みの情報を修正できないという大きな課題があります。
キューRクラウドを活用すると、参加者ごとにQRコードを発行し、そのQRコードから自分専用の案内情報を確認できる仕組みを作ることができます。
出発前に決まっているバス号車や卓番号を事前登録しておき、現地で変更があった場合には、運営側が管理画面から情報を更新します。参加者は、自分のQRコードを読み取ることで、常に最新の案内情報を確認できます。
紙の案内を完全になくすのではなく、紙やネームストラップは本人確認やQRコード提示のために使い、詳細情報や変更情報はデジタルで確認する。このように役割を分けることで、大人数のツアー運営をより柔軟にしやすくなります。
ハネソル株式会社では、旅行会社やイベント運営会社など、大人数の参加者に個別情報を案内する業務に対して、QRコードとWebデータベースを組み合わせた運用をご提案しています。
キューRクラウドで、大人数ツアーの個人別案内をデジタル化しませんか
「参加者ごとに異なる案内情報を表示したい」「紙の案内では現地変更に対応しづらい」「全体掲示板ではなく、個人別の情報確認ページを用意したい」「Excelで管理している参加者情報を、参加者本人が自分の分だけ確認できるようにしたい」。このような課題がありましたら、現在の参加者リストや案内方法をもとにご相談いただけます。