約900名・20拠点の作業員入退場記録を一元管理したい建設会社からの相談事例
ハネソル株式会社では、QRコードを活用した業務管理システム「キューRクラウド」を提供しています。この記事では、土木系の建設業を営む企業から寄せられた、作業員の入退場管理に関する相談事例をもとに、紙の出面帳や現場ごとの個別管理を、どのように本社側で一元管理しやすい形へ移行できるかを紹介します。
建設現場では、社員や協力会社の作業員が日々さまざまな現場へ出入りします。現場数が多くなり、作業員数も増えてくると、各現場で記録された出面情報を本社で集約するだけでも大きな負担になります。
今回の相談は、まさにそのような課題を抱えていた企業からのものでした。
1. 現場ごとに管理されていた入退場記録を、本社で一元化したい
1-1. 相談者は土木系建設業の業務管理部門
ご相談いただいたのは、土木系の建設業を営む企業の業務管理部門でした。担当されたのは、社内システムや業務管理を担当する部署の方です。
当時の管理方法は、各現場の責任者が、それぞれの現場で作業員の入場・退場を出面書面で管理し、その内容を業務担当者があとから入力するという流れでした。
現場単位では運用できているものの、本社側から見ると、現場ごとの入退場情報を集め、整理し、全体状況を把握するまでに手間がかかっていました。
1-2. 本社側で課題になっていたこと
今回の相談で大きな課題になっていたのは、現場ごとに手入力された入場・退場記録を、本社が一括で管理するための作業を効率化したいという点でした。
具体的には、次のような課題がありました。
- 現場ごとに管理方法が分かれている
- 紙の出面書面をもとに手入力する作業が発生する
- 入場・退場情報の把握に時間差が出る
- 複数拠点の入退場記録を一括で確認しづらい
- 本社で全体の状況をすぐに把握できない
特に、対象となる従業員数は約900名、拠点数は20か所程度という規模でした。この規模になると、現場ごとの紙管理や手入力だけで入退場情報を集約するには、どうしても手間と時間がかかります。
2. 相談内容は「QRコードを用いた入退場管理を導入したい」というものだった
2-1. 最初からQRコード活用を前提にした相談
今回のお問い合わせでは、最初からQRコードを使った入退場管理を検討されていました。
ただし、単に「QRコードで入退場を記録したい」というだけではなく、かなり具体的な条件が整理されていました。
相談時に整理されていた主な要望
- 約900名の従業員を対象にしたい
- 入退場の記録を出力できるようにしたい
- 入退場時に、QRコードをかざした人の情報をパソコン画面などに表示したい
- 取引先や外部関係者向けに、有効期限付きのQRコードを発行したい
- 約20か所の拠点すべての記録を管理したい
- 将来的に、門の開閉や鍵の管理に使える可能性も確認したい
- 既存の人事労務系クラウドサービスと連携して、社員情報を取得できるか確認したい
このように、単なる入退場記録だけではなく、従業員管理、拠点管理、外部関係者の一時利用、既存システム連携まで含めた相談でした。
2-2. 固有サービス名ではなく、業務要件として整理する
実際の相談では、具体的な外部サービス名や既存システム名も挙がっていました。ただし、入退場管理の設計では、まず固有のサービス名よりも、業務として何を実現したいのかを整理することが重要です。
今回であれば、既存の人事労務系クラウドサービスから社員情報を取得したい、または外部連携サービスを使って作業員情報を更新したい、という要望として整理できます。
どの方法が適しているかは、API仕様、取得できる項目、更新頻度、既存システム側の制約を確認したうえで判断する必要があります。
3. 紙の出面管理では、現場ごとの情報が本社に集まるまで時間がかかる
3-1. 紙の出面帳は現場では使いやすい
建設現場では、紙の出面帳やExcelによる管理は今でも多く使われています。
現場の責任者がその場で確認し、紙に記入する方法は、現場では分かりやすく、特別な機器がなくても運用できます。そのため、紙の管理そのものが悪いわけではありません。
しかし、複数拠点を本社でまとめて管理する場合、紙管理には限界があります。
3-2. 本社で一元管理するには、転記と集計の負担が大きい
各現場で記録された出面情報を本社側で確認するには、紙の回収、写真送付、Excel入力、集計作業などが必要になります。その結果、実際の入退場と本社で把握できる情報との間に時間差が生まれます。
特に今回のように、約20か所の拠点があり、対象者が約900名規模になると、次のような課題が出やすくなります。
- どの現場に誰が入場しているかをすぐ確認できない
- 退場記録が現場ごとに遅れて反映される
- 本社側で日次・月次の集計作業が重くなる
- 現場責任者ごとに記録方法や記入精度に差が出る
- 入力ミスや転記漏れが発生する可能性がある
このような場合、単に紙をデジタル化するだけではなく、現場で発生した入退場記録を、できるだけ早く本社側の共通データベースに集約する仕組みが必要になります。
4. ハネソル側で整理した業務要件
4-1. 作業員一人ひとりに固有のQRコードを発行する
ご相談内容を確認したうえで、ハネソル側では、まず作業員一人ひとりに固有の識別情報を持たせる必要があると整理しました。
その方法として、作業員ごとにQRコードを発行し、カードや印刷物として配布します。
現場では、各作業員が自分のQRコードを入場時と退場時に読み取ります。これにより、現場ごとの紙記録ではなく、作業員単位の読み取り履歴としてデータを残せます。
4-2. 各現場にQRコードを読み取る環境を用意する
次に、各現場にQRコードを読み取る環境を用意します。たとえば、パソコンとバーコードリーダーを設置する方法や、現場責任者のスマートフォンで読み取る方法が考えられます。
作業員は、現場に入場するときに自分のQRコードを読み取ります。退場するときにも、同じQRコードを読み取ります。
読み取り後に「入場」「退場」のボタンを選ぶ方法もあります。また、前回の読み取り状態をもとに、前回が入場であれば次は退場として扱うなど、入退場判定をある程度自動化する運用も考えられます。
- 作業員にQRコードを配布する
- 各現場に読み取り環境を用意する
- 入場時にQRコードを読み取る
- 退場時にもQRコードを読み取る
- 本社側で現場別・作業員別の履歴を確認する
この仕組みによって、少なくとも「誰が」「どの現場で」「いつ」「入場したのか」「退場したのか」を記録できます。
5. キューRクラウドで想定できる運用の流れ
5-1. 既存の人事情報を活用して作業員データを準備する
キューRクラウドを使った場合、今回のような入退場管理では、既存の人事管理システムや人事労務系クラウドサービスに登録されている作業員情報をもとに、作業員データを準備する流れが考えられます。
連携方法としては、API仕様を確認したうえで自動取得できるかを検証する方法があります。また、外部連携サービスを利用して、人事管理システムとキューRクラウド側の情報を更新する方法も検討できます。
5-2. QRコードを配布し、各現場で読み取る
そのうえで、作業員一人ひとりにQRコードを発行します。発行したQRコードは、印刷カードとして配布することもできますし、スマートフォン上に表示して使うことも考えられます。
現場では、入場時と退場時にQRコードを読み取ります。読み取り結果は、キューRクラウド上に履歴として記録されます。
本社側では、管理画面から各現場の入場・退場状況を確認できます。また、月次の工数確認や集計作業では、蓄積された読み取り履歴をもとにデータを整理できます。
- 既存の人事管理システムから作業員データを準備する
- 作業員ごとにQRコードを発行する
- 作業員へQRコードカードを配布する
- 各現場で入場時・退場時にQRコードを読み取る
- 読み取り履歴を共通データベースに記録する
- 本社側で現場別・作業員別・日付別に確認する
- 必要に応じてCSV出力や月次集計に活用する
6. パソコン画面に作業員情報を表示する運用
6-1. PCとバーコードリーダーを組み合わせる方法
今回のご相談では、入退場時にQRコードをかざした人の情報を、パソコンなどの画面に表示したいという要望もありました。
このような運用は、パソコンとバーコードリーダーを組み合わせることで実現しやすくなります。
たとえば、現場入口や事務所にパソコンを設置し、USB接続のバーコードリーダーで作業員のQRコードを読み取ります。読み取り後、画面上に作業員名、所属、拠点、入退場状態などを表示する形です。
6-2. 読み取り直後の画面表示は、現場確認に役立つ
現場での使いやすさを考えると、単にデータベースに記録されるだけでなく、読み取り直後に画面上で確認できることは重要です。
- 読み取った作業員が誰か分かる
- 入場なのか退場なのか確認できる
- 読み取りが正常に記録されたか分かる
- 現場責任者がその場で確認しやすい
特に、朝の入場時など短時間に複数の作業員が読み取る場面では、画面に分かりやすく結果を表示することで、現場側の不安を減らしやすくなります。
7. 有効期限付きQRコードは、取引先や一時利用者の管理に向いている
7-1. 継続利用者と一時利用者では運用が異なる
今回の相談では、取引先などに対して、有効期限付きのQRコードを発行し、特定の日だけ使えるようにしたいという要望もありました。
これは、通常の従業員用QRコードとは少し違う運用です。
従業員は継続的に現場へ出入りするため、長期的に使えるQRコードを発行します。一方で、取引先、外部業者、一時的な訪問者、短期作業員などは、特定の日だけ利用できればよい場合があります。
7-2. 特定の日だけ使える入場用QRコード
このような場合、有効期限付きのQRコードを発行することで、次のような運用が考えられます。
- 特定の日だけ使える入場用QRコードを発行する
- 取引先や外部関係者に事前送付する
- 当日、現場入口でQRコードを読み取る
- 有効期限外のQRコードは使えないようにする
- 一時利用者の入退場履歴も記録する
この仕組みは、建設現場だけでなく、イベント会場、施設受付、工場見学、一時入館管理などにも応用できます。
8. 拠点が20か所ある場合は、拠点単位の管理設計が重要
8-1. 誰が読み取られたかだけでなく、どこで読み取られたかが重要
約20か所の拠点で入退場記録を管理する場合、単に全員分のQRコードを発行するだけでは不十分です。
重要なのは、読み取りがどの拠点で行われたのかを記録できることです。
たとえば、同じ作業員が複数の現場に出入りする場合、作業員本人の情報だけでなく、どの現場で読み取られたのかを合わせて記録する必要があります。
8-2. 本社管理と現場運用を分けて考える
キューRクラウドでは、拠点単位でアカウントや管理項目を分けることで、拠点別の履歴管理を行う設計が考えられます。
本社側では、全拠点の記録をまとめて確認できるようにし、現場側では自分の拠点に関係する記録を扱いやすくする。このように、本社管理と現場運用の両方を考えて設計することが大切です。
| 確認したい内容 | 必要になる設計 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 誰が入場したか | 作業員ごとのQRコード発行 | 個人単位の入退場履歴を確認できる |
| どの現場で読み取られたか | 拠点単位の読み取り環境設定 | 現場別の記録を本社で集約できる |
| 本社で全体を見たい | 全拠点の履歴を確認できる管理画面 | 拠点ごとのバラバラ管理を一元化しやすい |
9. 門の開閉や鍵管理との連携は、用途の整理が必要
9-1. 物理的な開閉制御と、記録管理は分けて考える
今回のご相談では、将来的に門の開閉や鍵の管理に使える可能性も確認したいという話がありました。
この点については、注意が必要です。
キューRクラウドは、QRコードを使って情報を読み取り、履歴を記録する業務管理システムです。そのため、物理的な門の開閉や電気錠そのものを直接制御する仕組みとは異なります。
9-2. 鍵の持ち出し・返却履歴の管理には応用できる
一方で、鍵を格納するボックスの利用記録や、鍵の持ち出し・返却記録をQRコードで管理する、といった使い方は検討できます。
- 鍵ごとに管理番号を持たせる
- 鍵ボックスや鍵札にQRコードを付ける
- 持ち出し時にQRコードを読み取る
- 返却時にQRコードを読み取る
- 誰が、いつ、どの鍵を持ち出したかを記録する
このように、物理的な開錠そのものではなく、鍵の利用履歴や持ち出し管理を記録する目的であれば、QRコード管理が役立つ場合があります。
ただし、電気錠やゲート制御などの物理機器と直接連携する場合は、機器側の仕様、制御方法、セキュリティ要件を確認したうえで、別途検討が必要です。
10. 既存の人事労務システムとの連携は、API仕様の確認が必要
10-1. 従業員数が多い場合、二重登録を避ける設計が重要
従業員数が多い場合、作業員情報を手作業で二重登録するのは現実的ではありません。
今回の相談でも、既存の人事労務系クラウドサービスと連携し、社員情報を取得できるかどうかが検討ポイントになっていました。
このような連携では、まずAPI仕様の確認が必要です。
10-2. 連携前に確認したい項目
どの情報を取得できるのか。社員番号、氏名、所属、在籍状態、メールアドレスなどの項目を取得できるのか。更新頻度はどうするのか。退職者や異動者の情報をどのように反映するのか。
こうした点を確認したうえで、キューRクラウド側に取り込めるかを検証します。
また、外部連携サービスを使い、既存の人事管理システムとQRコード管理システムの情報を同期する方法も考えられます。
- 連携する情報
- 社員番号、氏名、所属、在籍状態など、入退場管理に必要な項目を整理します。
- 更新のタイミング
- 毎日更新するのか、必要時に更新するのか、運用に合わせて決める必要があります。
- 連携方法
- API連携、CSV連携、外部連携サービスの利用など、既存システム側の仕様に合わせて検討します。
この部分は企業ごとに運用が異なるため、打ち合わせを通じて具体的に確認する必要があります。
11. QRコード入退場管理が向いている現場
11-1. 屋外系の現場や、日々作業場所が変わる業務に向いている
今回のようなQRコードによる入退場管理は、特に屋外系の現場や、日々作業場所が変わる業務に向いています。
オフィスビルのように、常に固定された建物で働く場合は、ビル側の入館証や既存の入退室システムを使うことが多いと思います。
一方で、建設現場や土木工事の現場では、日々異なる場所で作業が行われます。同じ会社の従業員であっても、今日はA現場、明日はB現場、来週は別の拠点というように、作業場所が変わることがあります。
そのような環境では、固定された入退室設備だけでは管理しづらい場合があります。
11-2. 大型設備なしで現場記録を電子化したい場合に合いやすい
QRコードを使った管理であれば、現場ごとに大がかりな設備を用意しなくても、パソコンとバーコードリーダー、または現場責任者のスマートフォンを使って、入退場記録を残すことができます。
- 複数の現場を本社で管理したい
- 現場ごとに出面管理の方法がバラバラになっている
- 紙の出面帳をあとから入力する作業を減らしたい
- 入退場状況をできるだけ早く本社で把握したい
- 協力会社や一時作業員の出入りも記録したい
- 大型ゲート設備までは必要ない
- 既存の人事情報を活用しながら入退場記録を管理したい
12. 導入前に整理しておきたいこと
12-1. 入場だけか、入退場の両方か
QRコード入退場管理を導入する場合、事前に整理しておくべきことがあります。
まず、入場だけを記録するのか、入場と退場の両方を記録するのかを決める必要があります。
入場だけでよい場合は運用が簡単です。一方で、現場内に今誰がいるか、どのくらい滞在したかを確認したい場合は、退場記録も必要になります。
12-2. 誰が、どの機器で読み取るか
次に、誰がQRコードを読み取るのかを決めます。
作業員本人がパソコン横のバーコードリーダーにQRコードをかざすのか。現場責任者がスマートフォンで読み取るのか。受付担当者が確認しながら読み取るのか。
この運用によって、画面設計や必要な機器が変わります。
12-3. 外部関係者や一時利用者をどう扱うか
また、従業員用QRコードと、取引先や一時利用者向けのQRコードを分けるかどうかも検討が必要です。
有効期限付きQRコードを使う場合は、誰が発行し、誰に送付し、いつ無効化するのかを決めておく必要があります。
導入前に確認したい項目
- 対象人数
- 拠点数
- 入場だけか、入退場両方か
- 読み取り方法
- 現場に設置できる機器
- 本社で確認したい項目
- 出力したい帳票やCSV項目
- 外部関係者の利用有無
- 有効期限付きQRコードの必要性
- 既存の人事管理システムとの連携方法
13. まとめ:現場ごとの出面管理を、本社で見える入退場記録へ
建設業では、現場ごとに作業員の出入りを管理する必要があります。特に土木系の現場や屋外作業が多い会社では、日々異なる現場に従業員が出向くため、誰が、いつ、どの現場に入ったのかを本社で把握することが難しくなりがちです。
紙の出面帳やExcel管理は、現場で使いやすい一方で、本社側で一元管理するには手入力や集計作業が発生します。拠点数が多く、対象者数も多い場合、その負担はさらに大きくなります。
キューRクラウドを活用すると、作業員ごとにQRコードを発行し、各現場で入場時・退場時に読み取ることで、入退場履歴を共通データベースに記録できます。
本社側では、現場別、作業員別、日付別に記録を確認できるため、現場ごとのバラバラな出面管理を一元化しやすくなります。
また、有効期限付きQRコードを使えば、取引先や一時利用者の入場管理にも応用できます。既存の人事労務システムとの連携についても、API仕様や外部連携サービスの利用可否を確認しながら、運用に合わせた設計を検討できます。
ハネソル株式会社では、現場の紙管理やExcel管理を前提にしながら、無理なく始められるQRコード活用を提案しています。
キューRクラウドで、現場ごとの入退場記録を一元管理しませんか
「現場ごとの入退場記録を本社でまとめて確認したい」「紙の出面帳を少しずつデジタル化したい」「数百名規模の作業員を複数拠点で管理したい」「既存の人事管理システムと連携しながら入退場記録を残したい」。このような課題がありましたら、現在の管理方法や出面帳、Excel台帳の内容をもとにご相談いただけます。