企業専用バスの会社別乗車回数を、月次請求の根拠として管理したいバス事業者からの相談事例
ハネソル株式会社では、QRコードを活用した業務管理システム「キューRクラウド」を提供しています。この記事では、大手旅客バス事業者から寄せられた、企業専用バスにおける会社別乗車管理の相談事例をもとに、企業単位の乗車回数をどのように記録し、月次請求の根拠として活用できるかを紹介します。
今回の相談は、物流施設などで働く複数のテナント企業の従業員が利用する送迎バスについて、どの企業の人が、いつ、何回バスを利用したのかを記録したいという内容でした。
料金や運賃の決済を行う仕組みではなく、企業単位で乗車回数を記録し、利用実績に応じた請求を行うための仕組みを探しているというご相談です。
1. 相談者は、法人契約型の送迎バスを運行する旅客バス事業者
1-1. 物流施設向けの企業専用バスに関する相談
ご相談いただいたのは、大手旅客バス事業者の経営層の方でした。
対象となる業務は、物流施設の管理会社と貸切契約を結び、その施設に入居している複数のテナント企業の従業員向けに、送迎バスを運行するというものです。
このような送迎バスでは、利用者一人ひとりからその場で運賃を受け取るのではなく、契約先や利用企業ごとに、後日まとめて請求する形を取ることがあります。
1-2. 月次請求の根拠となる乗車実績を残したい
今回の相談では、テナント企業ごとのバス利用回数を記録し、月次で集計したうえで、各企業へ利用実績に応じた費用を負担してもらう仕組みを検討されていました。
つまり、決済システムを導入したいという相談ではなく、企業別の利用実績を記録し、後日の請求に使える根拠データを残したいという相談でした。
2. これまでは、実績データではなく固定的な請求に近い運用だった
2-1. 実際の利用回数を把握できていなかった
相談時点では、どの会社の従業員が、何人、いつバスを利用したのかを正確に記録する仕組みはありませんでした。
各企業からの自主申告や、おおまかな利用想定に基づく、いわば「どんぶり型」の計算になっており、実際の乗車回数に基づいた実績データは取れていなかったとのことです。
そのため、請求も固定料金的な形になりやすく、実際に多く利用している企業と、あまり利用していない企業との差を正確に反映しづらい状態でした。
2-2. バス事業者側に残っていた課題
このような運用では、バス事業者側にも、物流施設の管理会社側にも、テナント企業側にも、次のような課題が残ります。
- どの企業がどれくらい利用しているのか分からない
- 月次請求の根拠となる実績データがない
- 利用回数に応じた公平な費用負担がしづらい
- 乗務員の目視確認だけでは記録が残らない
- 手動カウントでは集計ミスや記録漏れが起きやすい
- 利用者個人までは特定したくないが、企業単位では把握したい
今回の相談で重要だったのは、「個人を特定すること」ではありませんでした。必要だったのは、企業単位でバス利用回数を記録し、月次請求のエビデンスとして使えるデータを残すことでした。
3. 最初に考えられていたのは、乗務員による手動カウントだった
3-1. 目視確認や手動記録には限界がある
バスの乗車人数を把握する方法として、最初に考えられるのは、乗務員が何らかの方法で人数を手動カウントすることです。
たとえば、乗車時に利用者が提示するカードや通行証のようなものを目視で確認し、その人数を乗務員が記録する方法です。
しかし、この方法には限界があります。乗務員は安全運行が最優先です。乗車時の確認や人数カウントに手間がかかると、乗車の流れが滞ったり、記録ミスが発生したりする可能性があります。
3-2. 企業別に人数を分けて記録する負担
複数の企業の従業員が同じバスを利用する場合、単純な人数だけではなく、どの企業の利用者なのかを区別する必要があります。
手動で「A社が何人、B社が何人、C社が何人」と記録するのは、現場負担が大きくなります。
さらに、後日月次で集計するためには、日別・便別・企業別の記録を整理する必要があります。紙や手入力だけでこの作業を行うと、集計作業にも時間がかかります。
4. お客様が求めていたのは、個人単位ではなく企業単位の乗車管理
4-1. 利用者個人の事前登録までは不要
今回の相談では、乗車する人を一人ひとり事前登録する必要はないという条件がありました。
つまり、利用者個人の名前や社員番号まで管理するのではなく、どの企業に所属する利用者が乗車したのかを企業単位で記録できればよいということです。
この点は、システム設計上とても重要です。
4-2. 企業単位に絞ることで運用負担を抑えられる
個人単位で乗車管理を行う場合は、利用者一人ひとりの登録、QRコード発行、退職や異動時の更新、個人情報の管理などが必要になります。
一方で、企業単位の乗車管理であれば、契約企業ごとにQRコードを発行し、そのQRコードを利用者に提示してもらうことで、企業別の乗車回数を集計できます。
相談時に整理されていた主な要望
- テナント企業ごとにQRコードを発行する
- 1つのQRコードを同じ企業の複数人が利用する
- バス乗車時にQRコードを提示する
- 乗務員または車内端末がQRコードを読み取る
- 企業別の乗車回数を月次で集計する
- 集計結果を請求の根拠として使う
このように、個人管理ではなく企業別集計に絞ることで、運用の負担を抑えながら、必要な実績データを取得できます。
5. ハネソル側で整理した業務要件
5-1. 契約企業ごとにQRコードを発行する
ご相談内容を確認したうえで、ハネソル側では、まず契約企業ごとにQRコードを発行する運用として整理しました。
このQRコードは、企業を識別するためのものです。利用者個人を識別するのではなく、どの企業に属する利用者が乗車したのかを記録するために使います。
5-2. バス乗車時にQRコードを読み取る
次に、各企業に対して、必要な利用者数分のQRコードを配布してもらいます。印刷したQRコードをカードとして配布する方法もありますし、携帯電話やスマートフォンでQRコードを表示する方法も考えられます。
バス利用者は、乗車時に所属企業から配布されたQRコードを提示します。乗務員はスマートフォンやタブレットなどの端末でQRコードを読み取ります。
読み取りが行われると、キューRクラウド上に、企業名、読み取り日時、乗車記録としての履歴が保存されます。
この履歴を月次で集計すれば、どの企業の利用者が、何回バスを利用したのかを確認できます。
- 契約企業ごとにQRコードを発行する
- 各企業が利用者へQRコードを配布する
- 乗車時に利用者がQRコードを提示する
- 乗務員がスマートフォンやタブレットで読み取る
- クラウド上に企業別の乗車履歴を記録する
重要なのは、利用者個人を特定しなくても、企業単位の乗車回数を記録できることです。
6. キューRクラウドで想定できる運用の流れ
6-1. 契約企業情報を登録し、企業別QRコードを発行する
キューRクラウドを使った場合、企業専用バスの会社別乗車管理では、まずバスを利用する契約企業の情報をキューRクラウドに登録します。
次に、契約企業ごとにQRコードを発行します。このQRコードは、企業識別用のQRコードとして利用します。
発行したQRコードは、各企業に配布します。企業側では、バスを利用する従業員に対して、QRコードを印刷したカードや、スマートフォン上で表示できるQRコードを案内します。
6-2. 乗車時の読み取り結果をクラウド上に記録する
バス乗車時には、利用者が自社のQRコードを提示します。乗務員は、スマートフォンやタブレット端末でそのQRコードを読み取ります。
読み取り結果はクラウド上に記録され、日別・月別・企業別に集計できるようになります。
月末には、企業別の乗車回数を確認し、単価を乗じた請求の根拠として活用できます。
- 契約企業の情報を登録する
- 企業ごとにQRコードを発行する
- 各企業へQRコードを配布する
- 企業側がバス利用者へQRコードを配布または共有する
- バス乗車時に利用者がQRコードを提示する
- 乗務員がスマートフォンやタブレットでQRコードを読み取る
- 企業別の乗車履歴がクラウド上に記録される
- 日別・月別の利用実績を一覧表示・出力する
- 月次請求の根拠データとして活用する
7. 料金決済ではなく、利用実績の記録に絞ることがポイント
7-1. 決済機能まで含めると要件が大きくなる
今回の相談では、料金や運賃の決済は不要という条件がありました。
これは非常に重要なポイントです。
決済機能まで含めると、決済サービスとの連携、金額計算、領収書発行、返金処理、決済エラー対応など、システム要件が大きく広がります。
7-2. 必要なのは、企業別の利用実績を残すこと
今回必要だったのは、乗車時に料金を徴収することではありません。必要だったのは、どの企業の利用者が、何回バスを利用したのかを記録することです。
つまり、キューRクラウドでは、企業別の利用実績を記録する役割に絞り、請求処理そのものは既存の業務フローで行うという考え方です。
このように、必要な機能を「記録」と「集計」に絞ることで、導入しやすい仕組みにできます。
8. ガラケー利用者への対応は、QRコードの提示方法を分けて考える
8-1. スマートフォン表示だけに頼らない運用
ご相談の中では、利用者がガラケーでもQRコードを表示できるかという確認もありました。
スマートフォンであれば、QRコード画像を表示したり、メールやWebページからQRコードを開いたりする運用が考えられます。
一方で、ガラケーの場合は、機種や表示環境によってQRコードの表示や読み取りやすさに差が出る可能性があります。
8-2. 印刷したQRコードカードとの併用が現実的
実務上は、スマートフォン表示だけに頼らず、印刷したQRコードカードを用意する方法が現実的です。
企業ごとに発行したQRコードをカード化し、バス利用者に配布しておけば、スマートフォンを持っていない方や、ガラケーを使っている方でも利用しやすくなります。
今回のように、企業単位の乗車管理であれば、個人ごとにQRコードを発行する必要はありません。そのため、企業別QRコードを印刷して配布する運用との相性も良いと考えられます。
9. クラウド管理画面で、日別・月別の利用実績を確認できる
9-1. 月次請求には集計できる履歴が必要
今回の相談では、日別・月別の利用実績を一覧表示・出力できるかという確認もありました。
企業別の乗車管理では、記録を取るだけでなく、後から集計できることが重要です。
たとえば、月次請求の際には、次のような情報が必要になります。
- 対象月
- 契約企業名
- 乗車回数
- 利用日別の内訳
- 必要に応じたCSV出力
- 請求計算に使う集計データ
9-2. 管理用IDでクラウド画面を確認する運用
キューRクラウドでは、読み取り履歴をクラウド上に蓄積し、管理画面から確認する運用が可能です。
事業者側には管理用のIDとパスワードを発行し、クラウド上の管理画面から利用実績を確認する形が考えられます。
このような運用であれば、バス会社側は月末に管理画面から企業別の乗車回数を確認し、必要に応じてデータを出力して請求業務に利用できます。
| 確認したい内容 | 記録する情報 | 活用方法 |
|---|---|---|
| 企業別の利用回数 | 企業QRコードの読み取り履歴 | 月次請求の根拠データとして利用 |
| 日別の利用状況 | 読み取り日付と時刻 | 日ごとの利用傾向を確認 |
| データ出力 | 企業別・月別の集計結果 | 請求計算や社内資料に活用 |
10. 乗務員の負担を増やしすぎない設計が重要
10-1. 安全運行を妨げない読み取り運用
バス車内でQRコードを読み取る場合、乗務員の負担を増やしすぎないことが重要です。
乗務員は安全運行が最優先であり、乗車管理のために複雑な操作を求めることは避けるべきです。
そのため、現場運用としては、できるだけシンプルな流れにする必要があります。
10-2. 乗務員の操作は最小限にする
たとえば、乗務員が行う操作は、次のような最小限の内容にします。
- 読み取り画面を開く
- 利用者が提示したQRコードを読み取る
- 画面に表示された企業名を確認する
- 正常に記録されたことを確認する
この程度の操作であれば、乗車時の流れを大きく妨げずに運用しやすくなります。
また、混雑する時間帯や乗車人数が多い便では、読み取り方法や端末の設置位置、乗車導線を事前に検討する必要があります。
QRコード管理は便利な仕組みですが、バスの運行現場で無理なく使える形にすることが大切です。
11. 企業単位の乗車管理が向いているケース
11-1. 法人契約型の送迎バスに向いている
今回のような企業別QRコードによる乗車管理は、特に法人契約型の送迎バスに向いています。
たとえば、工場、物流施設、倉庫、研究施設、大型事業所などでは、最寄り駅と施設を結ぶ送迎バスが運行されることがあります。
そのバスを複数の企業やテナントの従業員が利用する場合、企業ごとの利用実績を把握したいというニーズが発生します。
11-2. 個人情報までは管理したくない場合にも使いやすい
個人単位の乗車履歴までは必要ないが、企業別の乗車回数は把握したい。料金決済までは不要だが、月次請求の根拠となるデータは必要。このような場面では、企業別QRコードによる乗車記録が有効です。
- 複数企業が同じ送迎バスを利用している
- 利用企業ごとに費用負担を分けたい
- 乗車人数を手動でカウントしている
- 企業別の実績データがない
- 月次請求の根拠を残したい
- 個人情報までは管理したくない
- 料金決済ではなく、利用回数の記録だけを行いたい
12. 同じような悩みを持ちやすい業務
12-1. 送迎業務や団体輸送にも応用できる
今回の相談は、物流施設向けの企業専用バスに関する事例でした。
しかし、同じような課題は、ほかの送迎業務や団体輸送でも発生します。
- 工場と最寄り駅を結ぶ従業員送迎バス
- 物流施設と駅を結ぶテナント企業向けバス
- 複数企業が共同利用するシャトルバス
- 幼稚園や学校のスクールバス
- 企業研修や団体旅行の貸切バス
- 旅行会社の団体バスツアー
- イベント会場と駅を結ぶ送迎バス
- ホテルや商業施設のシャトルバス
- 病院や福祉施設の送迎車両
12-2. 誰を識別したいのかを最初に整理する
これらの業務では、誰が乗ったかを厳密に個人単位で管理する必要がある場合もあります。一方で、今回のように、企業別、団体別、クラス別、グループ別に乗車回数を把握できれば十分というケースもあります。
QRコードを使った乗車管理は、個人単位にも、企業・団体単位にも設計できます。そのため、目的に合わせて「誰を識別したいのか」を最初に整理することが大切です。
13. 導入前に整理しておきたいこと
13-1. 個人単位か、企業単位かを決める
企業専用バスでQRコード乗車管理を導入する場合、事前に整理しておきたいことがあります。
まず、個人単位で管理するのか、企業単位で管理するのかを決める必要があります。
今回のように、月次請求の根拠として企業別の乗車回数が分かればよい場合は、企業単位のQRコードで十分なケースがあります。
一方で、乗車漏れの防止や点呼、児童や生徒の安全確認などが目的であれば、個人単位のQRコードが必要になる場合もあります。
13-2. 読み取り方法と出力項目を決める
次に、QRコードを誰が提示し、誰が読み取るのかを決めます。
利用者がスマートフォンでQRコードを表示するのか。印刷カードを提示するのか。乗務員がスマートフォンで読み取るのか。車内にタブレット端末を設置するのか。
この運用によって、必要な機器や画面設計が変わります。
また、月次請求に使う場合は、どの単位でデータを出力するかも重要です。
導入前に確認したい項目
- 個人単位で管理するのか、企業単位で管理するのか
- QRコードを印刷カードにするのか、スマートフォン表示にするのか
- 誰がQRコードを読み取るのか
- 車内端末を設置するのか、乗務員のスマートフォンを使うのか
- 日別・月別・企業別のどの単位で集計したいのか
- 請求に必要なCSV出力項目は何か
- 混雑時間帯でも運用できる乗車導線をどう設計するか
14. まとめ:企業専用バスの利用実績を、会社別QRコードで見える化する
法人契約型の送迎バスでは、実際にどの企業の従業員が、何回バスを利用したのかを正確に把握しづらいことがあります。
これまでのように、自主申告や固定的な料金設定だけで運用していると、実際の利用状況に応じた費用負担が難しくなります。
今回の相談では、利用者個人までは特定せず、企業単位で乗車回数を記録したいという要望がありました。
キューRクラウドを活用すると、契約企業ごとにQRコードを発行し、バス乗車時にそのQRコードを読み取ることで、企業別の乗車履歴をクラウド上に記録できます。
月末には、企業別の乗車回数を一覧表示・出力し、月次請求の根拠データとして活用できます。
料金決済までは行わず、あくまで利用実績の記録と集計に絞ることで、法人契約型の送迎バスでも導入しやすい仕組みにできます。
ハネソル株式会社では、バス事業者、施設送迎、団体輸送、スクールバス、旅行会社の団体バスツアーなど、さまざまな乗車管理の用途に対して、QRコードとWebデータベースを組み合わせた運用をご提案しています。
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