医薬品・医療材料のルート配送で、配送袋と伝票の所在をQRコードで管理したい卸売会社からの相談事例

医薬品や医療材料の配送担当者が、医療関連施設の無人受け取りボックス前で、配送袋と伝票に貼られたQRコードを読み取っている写真品質のイメージ。

ハネソル株式会社では、QRコードを活用した業務管理システム「キューRクラウド」を提供しています。この記事では、医薬品・医療材料の卸売販売を行う企業から寄せられた、ルート配送における配送袋・伝票・書類の管理に関する相談事例をもとに、紙の伝票と押印による確認業務を、QRコードによる履歴管理へ移行する考え方を紹介します。

医薬品や医療材料の配送では、単に荷物を届けるだけではありません。どの施設へ、いつ、誰が、何を届けたのか。さらに、配送後に回収すべき袋や書類が、いまどこにあるのか。このような情報を確実に把握する必要があります。

今回の相談は、毎日決まった複数の施設を周回するルート配送の中で、紙の伝票、現地押印、配送袋の回収確認をどのようにデジタル化できるかという内容でした。

1. 医薬品・医療材料を複数施設へ毎日配送している企業からの相談

1-1. 相談者は医療材料・医療機器の配送担当責任者

ご相談いただいたのは、医薬品・医療材料・医療機器などを取り扱う卸売販売会社の配送担当責任者の方でした。

同社では、毎日決まった複数の医療関連施設を周回し、医薬品や医療材料を配送していました。対象となる施設は約25か所あり、日曜・祝日を除く月曜日から土曜日まで、ほぼ毎日、施設間で書類や配送物のやり取りが行われていました。

配送先には、無人の受け取りボックスが設置されており、配送担当者はそこに配送物を納めます。その際、配送単位ごとに伝票があり、現地に備え付けられている確認印を配送担当者が押印することで、紙ベースの配送確認を行っていました。

1-2. 配送と同時に、空の配送袋も回収する必要があった

この業務では、配送物を届けるだけでなく、復路で使用する配送袋や回収対象の袋を持ち帰る必要がありました。

つまり、配送担当者は施設に到着した際に、次のような作業をセットで行っていました。

このような業務では、「届けたこと」だけでなく、「回収したこと」も重要な記録になります。配送物を置いた履歴と、空袋や書類を回収した履歴の両方を管理できなければ、あとから配送袋や書類の所在が分からなくなる可能性があります。

2. 紙の伝票と押印だけでは、配送袋や書類の所在が分かりにくい

2-1. 伝票が戻ってくるまで、配送状況を確認しづらい

当時の管理方法では、配送単位ごとに紙の伝票があり、現地で押印された伝票が自社に戻ってきてから、配送実績を確認する流れでした。

この方法は、現場ではシンプルです。配送担当者は伝票を持ち、施設に着いたら押印し、配送後に伝票を持ち帰ればよいからです。

しかし、管理側から見ると、情報が確認できるまでに時間差が発生します。配送が完了していても、伝票が戻ってくるまでは、管理者が正確な配送状況を確認できません。もし伝票が紛失した場合、その配送に関する記録そのものが失われるリスクもあります。

2-2. 配送袋が行方不明になることがあった

特に課題になっていたのは、回収すべき配送袋の所在管理でした。

配送袋は、施設へ配送物を届けるために使われます。そして、空になった袋は次回以降の配送で再利用するため、必ず回収する必要があります。

ところが、紙の伝票と押印だけの管理では、配送袋が今どこにあるのかをリアルタイムに確認することが難しくなります。

紙と押印だけの管理で起きやすい課題

  • どの施設に置いたのかをすぐ確認できない
  • いつ配送されたのかが伝票回収後でないと分からない
  • 誰が配送したのかをあとから追いづらい
  • 空袋が回収されたかどうかを確認しづらい
  • 伝票を紛失すると管理データが消えてしまう

2-3. 「法人施設内に書類が回っている」という課題

実際の相談では、担当者の方から、施設間で書類が回っている状態を管理したいという表現がありました。

約25施設の間で、毎日書類のやり取りが発生しており、その書類について、どこで回収され、どこへ配達され、いつ届いたのかを確認したいという内容でした。

担当者の方が実現したいことは、単なる配送完了記録ではありませんでした。

つまり、「配送物を届けたかどうか」だけでなく、「書類や配送袋が施設間をどう移動しているのか」を可視化したいという相談でした。

複数の医療関連施設を巡回するルート配送で、配送袋や書類の回収・配達状況を管理画面で確認している写真品質のイメージ。

3. 最初は大手の配送管理システムでの導入を検討していた

3-1. 一般的な配送システムでは、今の業務フローに合いにくかった

今回の相談者は、最初からQRコード管理だけを検討していたわけではありません。

まずは、大手の配送管理システムや物流管理システムで、今の業務に合うものがないかを探されていました。

しかし、一般的な配送管理システムの多くは、発送元から納品先までの配送を管理する用途に向いています。荷物番号を発行し、集荷し、配送し、納品完了を記録するという流れです。

一方、今回の業務は少し異なります。決まった複数の施設を毎日巡回し、配送袋や書類を施設間で回しながら、配送と回収を繰り返す業務でした。

3-2. 「配送袋単位で管理したい」という点が重要だった

今回の業務で重要だったのは、配送物そのものだけでなく、配送袋を管理単位にしたいという点です。

配送袋に固定の管理コードを持たせ、その袋が今どこにあるのか、どの施設に届けられたのか、空袋として回収されたのかを確認する必要がありました。

一般的な配送システムでは、荷物単位や伝票単位の管理はできても、配送袋を固定の管理物として扱い、日々の周回配送の中で回収・再利用する運用にぴったり合わない場合があります。

そこで、今の配送フローを大きく変えずに、配送袋と伝票をQRコードで管理できないかという相談につながりました。

4. ハネソル側で提案した考え方

4-1. 配送袋に固定のQRコードを貼り付ける

ハネソル側でまず提案したのは、配送袋そのものに固定のQRコードを貼り付ける方法です。

配送袋ごとに管理番号を持たせ、その管理番号をQRコード化して、袋にシールとして貼り付けます。これにより、配送袋は単なる入れ物ではなく、システム上で追跡できる管理対象になります。

配送担当者が施設で配送袋のQRコードを読み取ることで、次のような履歴を残せます。

このように、配送袋を固定資産のように扱い、QRコードで状態履歴を残す考え方です。

4-2. 伝票にもQRコードを付け、配送袋と紐づける

次に提案したのは、配送袋のQRコードと、伝票のQRコードを紐づける方法です。

配送袋だけを読み取っても、その袋の存在は確認できます。しかし、どの配送伝票に対応した袋なのか、どの配送内容に関係するのかを確認するには、伝票側の情報とも結び付ける必要があります。

そこで、配送袋のQRコードと、伝票に貼付または印字したQRコードを読み取り、システム上で紐づけます。

  1. どの伝票の配送に、どの配送袋を使ったかを記録する
  2. 配送袋が正しい施設に届いたかを確認する
  3. 伝票上の配送先と、実際に読み取られた施設が一致しているかを確認する
  4. 回収すべき配送袋が未回収のままになっていないかを確認する
  5. 配送袋と伝票の履歴をあとから確認できるようにする

紙の伝票と押印だけでは難しかった、配送袋と伝票の関係をデータとして残す考え方です。

4-3. 現地に設置したQRコード読み取り装置で確認する

もう一つのポイントは、配送先にQRコード読み取り装置を設置するという考え方です。

配送担当者が施設に到着したら、現地に設置されたリーダーで、伝票のQRコードや配送袋のQRコードを読み取ります。

配送担当者が現地に行かなければ、現地の読み取り装置でQRコードを読み取ることはできません。つまり、物理的にその場所へ到着しなければ配送記録を残せない仕組みにできます。

これにより、紙の押印に近い感覚を残しながら、記録だけを電子化できます。

5. 実現に向けて課題になったのは、伝票へのQRコード印刷プロセス

5-1. 伝票は既存の基幹システムから発行されていた

今回の検討で大きな課題になったのは、伝票へのQRコード印刷プロセスでした。

配送伝票は、すでに社内の基幹システムから発行されていました。そのため、キューRクラウド側で自由に伝票フォーマットを変更したり、既存システムの画面から直接QRコードを印字したりすることは、簡単ではありませんでした。

このような場合、重要なのは、既存の基幹システムを無理に作り替えようとしないことです。

医薬品や医療材料の配送業務では、すでに運用されている基幹システム、伝票発行、配送ルールがあります。そこに新しい仕組みを入れる場合、現場が混乱しないように、既存業務をできるだけ維持しながら補完する設計が必要になります。

5-2. 管理番号データだけを取り込み、QRコードシールを発行する方法に整理

最終的には、基幹システムから発行される管理番号データのみをキューRクラウドに取り込み、キューRクラウド側でQRコードを生成する運用に整理しました。

具体的には、次のような流れです。

  1. 既存の基幹システムから伝票番号や管理番号のデータを出力する
  2. その管理番号データをキューRクラウドに取り込む
  3. キューRクラウドで管理番号ごとのQRコードを発行する
  4. QRコードをシールとしてまとめて印刷する
  5. 印刷したQRコードシールを伝票に貼り付ける
  6. 配送時に、伝票QRコードと配送袋QRコードを読み取る
  7. 読み取り履歴をキューRクラウド上に記録する

この方法であれば、既存の基幹システムを大きく変更せずに、QRコードによる追跡管理を追加できます。

5-3. 既存業務を維持しながら、確認作業だけを電子化する

この事例で重要なのは、すべてを一気に新システムへ置き換えるのではなく、既存業務を維持しながら、確認作業と履歴管理を電子化した点です。

伝票発行は既存の基幹システムを使い続けます。配送袋も、これまで通り現場で使います。施設への配送や回収の流れも、大きくは変えません。

そのうえで、配送袋と伝票にQRコードを付け、現地で読み取る工程を追加します。このように、既存業務にQRコードを重ねることで、現場負担を抑えながら、管理側で確認できる情報を増やすことができます。

6. キューRクラウドで実現できる運用の流れ

6-1. 配送袋と伝票をそれぞれ管理対象にする

キューRクラウドを使う場合、配送袋と伝票をそれぞれ管理対象として登録できます。

配送袋には、袋ごとの固定QRコードを貼り付けます。伝票には、配送ごとに発行される管理番号のQRコードを貼り付けます。

配送担当者は、施設で配送袋と伝票のQRコードを読み取ります。読み取り結果は、キューRクラウド上に履歴として記録されます。この履歴をもとに、管理者は配送状況や回収状況を確認できます。

6-2. 施設到着、書類回収、配送完了を状態として記録する

実際の運用では、読み取り時に状態を選択する形が考えられます。

たとえば、配送担当者が施設に到着した際には、施設到着として記録します。書類や空袋を回収した際には、回収として記録します。配送物を所定の受け取りボックスへ納めた際には、配送完了として記録します。

このように、配送工程を状態として記録することで、紙の押印よりも細かい履歴を残せます。

記録したい状態 読み取り対象 確認できること
施設到着 施設QRコード・伝票QRコード どの施設に、いつ到着したか
書類回収 伝票QRコード・書類管理番号 どの書類を、どの施設で回収したか
配送袋回収 配送袋QRコード 空袋が回収済みか、未回収か
配送完了 伝票QRコード・配送袋QRコード 配送先に正しく届けたか

6-3. 配送先を間違えた場合にアラートを出す

今回の相談では、配送先を間違えた場合にアラートを出したいという要望もありました。

たとえば、伝票QRコードには本来の配送先情報が紐づいています。一方、現地の読み取り装置や施設QRコードには、その施設の情報が紐づいています。

配送担当者が伝票QRコードを読み取った際に、伝票上の配送先と、現在の施設が一致しない場合、画面上に警告を表示することができます。

これにより、配送ミスをその場で気づきやすくなります。紙の伝票だけでは、押印後に事務所へ戻ってから間違いに気づくことがあります。しかし、QRコードと施設情報を組み合わせれば、現地で確認できるため、誤配送の早期発見につながります。

配送者が、配送先施設でQRコードを読み取った結果を、事務所で勤務する女性事務員が伝票上の配送先と施設情報を照合し、管理画面に確認結果が表示されている法人向けイメージ。

7. 位置情報を使わなくても、配送状況はある程度把握できる

7-1. GPSを使わない方がよい場合もある

今回の相談では、ドライバーの位置確認も要望に含まれていました。

ただし、常時GPSで位置情報を取得する方法は、スマートフォンのバッテリー消耗やプライバシー面の配慮が必要になります。また、医療関連施設を回る配送では、常時位置情報を取るよりも、業務上必要な地点で確実に記録を残す方が運用しやすい場合があります。

そのため、ハネソル側では、常時GPSで追跡するのではなく、各施設でのQRコード読み取り履歴をもとに、配送の進行状況を把握する考え方も提案できます。

7-2. 各施設での読み取り履歴が、配送ルート上の通過記録になる

配送担当者が各施設でQRコードを読み取ると、その時刻と施設情報が記録されます。

これにより、管理者は次のような情報を確認できます。

常時位置情報を取得しなくても、各施設での読み取り履歴をつなげることで、配送ルート上の進行状況を把握できます。

もちろん、正確な現在地をリアルタイムで表示するものではありません。しかし、業務上は「どこまで配送が進んでいるか」「どの施設で止まっているか」が分かれば十分な場合もあります。

8. 施設側が到着予定を確認したい場合の考え方

8-1. 施設側から見た不安は「いつ届くのか分からない」こと

今回の相談では、法人施設側が出した書類について、いつ回収され、いつ相手先施設に届くのかを確認できるようにしたいという要望もありました。

施設側からすると、書類を出した後、その書類がいつ回収されるのか、いつ目的の施設に届くのかが分からない状態は不安につながります。

特に、医療関連の業務では、書類や医療材料のやり取りが日々の業務に関係することがあります。そのため、配送状況が見えることは、配送会社側だけでなく、施設側にとっても価値があります。

8-2. 予定時刻表示は、ルート情報と実績情報の整理が必要

施設側が「今提出したら、いつ回収され、いつ相手先施設に届くのか」を確認できる仕組みを作るには、事前に配送ルートと標準時刻を整理する必要があります。

たとえば、次のような情報が必要になります。

各施設の巡回順
通常の配送ルートと、便ごとの施設順を整理します。
標準到着時刻
施設ごとの通常到着時刻や回収予定時刻を登録します。
例外運用
曜日、祝日、便の変更、臨時配送などの扱いを確認します。

これらを整理すれば、施設側が確認ボタンを押したときに、目安となる回収予定時刻や到着予定時刻を表示することができます。

ただし、交通事情や当日の配送状況によって変動するため、まずは「予定時刻」や「目安時刻」として表示する設計が現実的です。

9. QRコード管理が向いているポイント

9-1. 現地で読み取らないと記録できない

QRコード管理の大きな特徴は、現物や現地と結び付けた記録を残しやすいことです。

今回のように、配送先施設に読み取り装置を設置する場合、配送担当者は現地に到着しなければ読み取りができません。

これは、紙の押印に近い役割を持ちます。現地で押印する代わりに、現地でQRコードを読み取る。これにより、現地到着や配送完了の記録を電子化できます。

9-2. 配送袋の行方不明対策に使いやすい

配送袋のように、何度も使い回す物品は、所在管理が難しくなりがちです。

毎日複数の施設を巡回していると、どこかの施設に袋が残ったままになったり、回収漏れが発生したりすることがあります。

配送袋にQRコードを貼り付けておけば、最後にどこで読み取られたかを確認できます。これにより、配送袋が見当たらない場合でも、最後の読み取り履歴から所在の手がかりを得ることができます。

9-3. 紙の伝票が紛失しても、読み取り履歴が残る

紙の伝票だけに依存している場合、伝票が紛失すると記録も失われてしまいます。

一方、QRコードで読み取り履歴を残しておけば、紙の伝票が手元に戻ってこない場合でも、少なくとも読み取り時刻、施設、状態、担当者などのデータを確認できます。

もちろん、伝票そのものを完全になくすかどうかは、業務や社内ルールによって判断が必要です。しかし、紙の伝票を残しながら、確認履歴だけをクラウド上に記録する運用であれば、現場の負担を抑えつつ、記録の消失リスクを減らせます。

10. 導入前に整理しておきたいこと

10-1. 管理対象は「配送物」なのか「配送袋」なのか「伝票」なのか

このような業務をQRコード化する場合、最初に整理すべきことは、何を管理対象にするかです。

配送物そのものを管理したいのか。配送袋を管理したいのか。伝票を管理したいのか。書類を管理したいのか。

今回のような業務では、これらが複数組み合わさります。そのため、最初に管理対象を分けて考えることが重要です。

このように整理することで、システム上のデータ設計がしやすくなります。

10-2. 読み取りタイミングを決める

次に、どのタイミングでQRコードを読み取るかを決める必要があります。

読み取り回数が多すぎると、現場の負担になります。逆に少なすぎると、必要な履歴が残りません。

今回のようなルート配送では、たとえば次のような読み取りタイミングが考えられます。

  1. 施設到着時に施設QRコードを読み取る
  2. 書類や配送物を回収するときに伝票QRコードを読み取る
  3. 配送物を受け取りボックスへ入れるときに伝票QRコードを読み取る
  4. 空袋を回収するときに配送袋QRコードを読み取る
  5. 配送完了時に状態ボタンを押す

実際には、すべてを行う必要はありません。現場の負担と管理したい情報のバランスを見ながら、最小限の読み取り回数で必要な履歴が残るように設計することが大切です。

10-3. 既存のPC、プリンタ、スマートフォンを使えるか確認する

相談時には、既存のPC、プリンタ、スマートフォン、業務アプリなどで対応できるかという確認もありました。

QRコード管理を導入する場合でも、必ず専用端末を多数購入しなければならないとは限りません。

既存設備を活用した構成例

  • 既存PCで管理画面を開く
  • 既存プリンタでQRコードシールを印刷する
  • USBバーコードリーダーでQRコードを読み取る
  • スマートフォンでQRコードを読み取る
  • CSVファイルで基幹システムの管理番号を取り込む

既存設備を活用できれば、導入コストを抑えやすくなります。

ただし、医薬品や医療材料を扱う業務では、運用ルール、セキュリティ、施設側の利用環境も考慮する必要があります。そのため、実際には現在の業務フローを確認しながら、必要な機器構成を決めていくことになります。

既存のPC、プリンタ、QRコードシール、USBバーコードリーダー、スマートフォンを使ってルート配送管理を行う機器構成の写真品質イメージ。

11. 同じような課題を持ちやすい業種

11-1. ルート集配を行う事業者

今回のようなQRコード管理は、医薬品・医療材料の配送に限らず、ルート集配を行う事業者に向いています。

毎日または定期的に、決まった複数の拠点を巡回し、配送と回収をセットで行う業務では、紙の伝票や口頭確認だけでは所在管理が難しくなることがあります。

たとえば、次のような業種では同じような課題が発生しやすいと考えられます。

これらの業務では、配送完了だけでなく、回収、返却、所在確認、未回収の把握が重要になります。

11-2. 現地での受け渡し確認を電子化したい業務

QRコード管理は、現地での受け渡し確認を電子化したい業務にも向いています。

特に、無人ボックス、施設受付、倉庫、拠点間配送など、人が常に立ち会うとは限らない場所では、紙の押印や手書き記録だけでは確認が不十分になる場合があります。

現地にあるQRコードリーダーで読み取る運用にすれば、現地で処理した履歴を残せます。これにより、架空の配送記録や、あとからまとめて記入する運用を避けやすくなります。

12. まとめ:紙の伝票と押印を残しながら、配送履歴を見える化する

医薬品・医療材料のルート配送では、配送物を届けるだけでなく、配送袋や書類を回収し、複数施設間で正しく受け渡しすることが求められます。

紙の伝票と現地押印による管理は、現場では分かりやすい方法です。しかし、配送状況や回収状況を管理側が確認できるまでに時間差があり、伝票の紛失や配送袋の行方不明が発生すると、あとから状況を追いにくくなります。

キューRクラウドを活用すると、配送袋や伝票にQRコードを付け、施設で読み取ることで、配送、回収、到着、受領確認などの履歴をクラウド上に記録できます。

今回の事例では、既存の基幹システムを大きく変更するのではなく、基幹システムから出力される管理番号データをキューRクラウドに取り込み、QRコードシールとして印刷し、伝票へ貼り付ける運用に整理しました。

これにより、既存の伝票運用を維持しながら、配送袋と伝票の追跡管理を追加できます。

QRコードは、現物や現地と結び付いた記録を残しやすい仕組みです。配送先にある読み取り装置でQRコードを読み取ることで、実際に現地へ到着しなければ記録できない運用にすることも可能です。

紙の伝票、押印、Excel管理をすぐにすべて廃止するのではなく、今の業務を残しながら、必要な履歴だけをデジタル化する。このような段階的なDX化を検討している企業にとって、QRコードを使った配送履歴管理は現実的な選択肢になります。

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