ホームページの制作相談から始まったはずなのに、話を聞いていくと、会員登録や予約管理、外部サービスとの連携まで求められた。そんな経験はないでしょうか。
デザインやコーディング、WordPressの構築までは自社で対応できる。しかし、データベースを使った管理画面や認証、API連携となると、見積もりも開発体制も一気に難しくなります。そのため、せっかく相談を受けても「そこから先は当社では対応できません」とお断りすることがあります。
これは、ホームページ制作会社の技術や提案力が足りないからではありません。ホームページ制作と業務システム開発では、必要になる専門性やプロジェクトの進め方が異なるからです。
では、制作会社がシステム会社と同じ体制を持たなければ、こうした案件は受けられないのでしょうか。この記事では、制作会社の得意分野を変えずに受注の幅を広げるための「分業」と「パートナー」という考え方について、5つの視点から考えます。
以前であれば、企業サイトに必要なものは会社案内、事業紹介、お知らせ、問い合わせフォームといった情報発信の機能が中心でした。ところが現在は、サイト公開後の業務まで含めて相談されるケースが増えています。
お客様から見れば、これらもすべて「ホームページの機能」です。しかし制作側から見れば、途中から業務システム開発の領域に入っています。
バックエンドの担当者を正社員として採用すれば、すぐに解決するようにも見えます。しかし、システム案件が毎月安定して発生するとは限りません。採用、教育、開発環境、セキュリティ対応まで考えると、一件の相談のために固定費を増やす判断は簡単ではありません。
知り合いのフリーランスへその都度依頼する方法もありますが、案件の規模によって必要な技術が変わり、納期や品質、保守対応にも不安が残ります。結果として、受注後のリスクを避けるために断る判断は、経営上むしろ自然です。
問題は、断ることそのものではありません。同じ種類の相談が繰り返し届いているのに、受け止める仕組みがないままになっていることです。
デザイン会社とシステム会社は、どちらもWebサイトを扱うため、競合に見えることがあります。しかし、実際に提供している価値は同じではありません。
制作会社は、お客様の事業やブランドを理解し、情報を整理し、伝わる画面を設計することに強みがあります。一方、システム会社は、データを安全に保存し、複数の機能や外部サービスをつなぎ、継続して動く仕組みを作ることを得意とします。
建物を一社だけで完成させるのではなく、設計、内装、電気、水道などの専門家が協力するように、Web制作も専門領域ごとに分担できます。
外部のシステム会社へ相談すると、「お客様を直接取られてしまうのではないか」「制作部分まで含めて競合するのではないか」と不安に感じるかもしれません。この不安をなくすには、案件ごとの発注先ではなく、役割をあらかじめ決められる相手を選ぶことが重要です。
この関係であれば、システム会社は競合ではなく、制作会社の提案を実現するための技術チームになります。制作会社は自社の強みを薄めることなく、これまでより広い相談に応えられます。
ほとんどの企業サイトにある問い合わせフォームは、送信内容を担当者へメールで通知します。シンプルで導入しやすく、小規模な運用であれば十分です。
しかし問い合わせが増え、複数人で対応するようになると、メールだけの管理には限界が見えてきます。
このときお客様が求めているのは、フォームのデザイン変更ではありません。フォームから届いた情報を、業務で使える形に変える仕組みです。
入力された情報をメール送信と同時にデータベースへ保存できれば、その先にさまざまな機能をつなげられます。
同じ考え方は、予約フォーム、資料請求、イベント申込、採用応募、アンケートにも応用できます。見た目は一つのフォームでも、その先の処理まで提案できれば、制作会社が提供できる価値は大きく変わります。
もちろん、すべてのお客様に高機能な仕組みが必要なわけではありません。大切なのは、必要になったときに「できません」と終わらせず、「どこまで必要かを整理しましょう」と話せる選択肢を持つことです。
問い合わせ管理、予約管理、会員管理、イベント受付。名前や目的は異なりますが、管理側で必要になる基本機能には多くの共通点があります。
これらを案件ごとにすべてゼロから設計し、実装し、テストすれば、見積金額も納期も大きくなります。受注できたとしても、初めて作る機能が多いほど不具合や仕様変更のリスクは高まります。
すでに動作実績のある認証、データ管理、通知、APIなどの共通機能を土台として使えば、案件ごとに必要な部分へ開発時間を集中できます。
これは、どの会社にも同じシステムを販売するという意味ではありません。画面の見せ方、入力項目、業務の流れ、外部連携など、お客様固有の要件は個別に設計します。その一方で、毎回同じになる土台は再利用するという考え方です。
制作会社にとっては、システム部分の見積もりや納期を読みやすくなり、お客様へ提案できる範囲が広がります。エンドユーザーにとっても、完全な新規開発より費用と期間を抑えながら、自社の業務に合った仕組みを導入しやすくなります。
システム案件の相談を受けてから開発会社を探し始めると、相手の得意分野や対応範囲を確認するだけでも時間がかかります。提案期限が迫る中では、十分な要件整理ができず、制作会社が大きなリスクを負うことにもなりかねません。
一方、普段から相談できるバックエンド開発のパートナーがいれば、受注前の段階で実現方法や概算、注意点を確認できます。
こうした確認が早いほど、制作会社は安心してお客様との対話を続けられます。「システムは分からないので対応できません」ではなく、「技術担当と確認してご提案します」と答えられるようになります。
ハネソルでは、ホームページのデザインや制作そのものを取り合うのではなく、制作会社様が得意とする仕事の裏側で、データベース、管理画面、認証、API、通知、CSV、QRコードなどの仕組みを担当する協力の形を考えています。
制作会社様が企画とデザイン、お客様との関係を担い、ハネソルが必要なバックエンドを担う。案件によっては一部の機能だけを担当し、必要がなければ表には出ません。最初から大きな契約や決まったパッケージを前提にするものでもありません。
現在、私たちは、制作会社様が実際にどのようなシステム相談を受け、どの段階で難しさを感じているのかを知りたいと考えています。私たちの想像だけでサービスを決めるのではなく、現場の声を聞きながら、無理のない協力の形を作るためです。
もし過去に、「デザインやサイト制作はできるけれど、この機能があるために断った」という案件がありましたら、そのお話だけでもお聞かせください。すぐに仕事の依頼でなくても構いません。
一つの相談をきっかけに、これまで断っていた案件を次からは受けられる方法が見つかるかもしれません。
管理画面、会員機能、API連携、通知、QRコードなど、対応に迷った案件がありましたらお気軽にご相談ください。制作会社様の立場やお客様との関係を大切にしながら、バックエンド部分で協力できる方法を一緒に考えます。