AI普及で単価下落に悩むWEB制作会社が目指す最大の生存戦略
「素晴らしいデザインを作り上げ、クライアントのマーケティングや成果にまでコミットしているのに、なぜか案件単価が下がり、コンペも厳しくなっている……」
生成AIの急速な進化と普及により、多くのWEB制作会社(特に中小規模やデザイン・企画を得意とする会社)が今、かつてない価格競争と受注獲得の壁に直面しています。
エンドユーザ側の担当者がAIツールを使えば、ある程度のサイト制作やコンテンツ生成が内製できてしまう時代がすぐそこまで来ています。
しかし、悲観する必要はありません。クライアントの事業に深く踏み込み、高単価かつ長期的・継続的な案件を獲得するルートは明確に存在します。それが、これまで制作会社が避けがちだった業務システム・Webアプリケーション領域への受注範囲の拡大です。
この記事では、WEB制作会社が自社の強みであるUIデザイン力や企画力を活かし、AI時代を勝ち抜くための次なる一歩について解説します。
この記事の内容
- AI時代に直面するWEB制作会社の課題と価格破壊のリアル
- なぜ業務システム・Webアプリへの拡張なのか
- AIが進化してもシステム開発の単価が崩れにくい理由
- システム案件は自社で受けるのが難しい4つの現実的な壁
- 案件ごとにバックエンドをパートナー化する合理的な選択肢
1. AI時代に直面するWEB制作会社の課題と価格破壊のリアル
デザイン力とマーケ支援だけでは差別化が難しくなる時代
これまで、質の高いホームページ制作会社はクライアントのブランドを高めるデザイン力や集客、売上に貢献するマーケティング視点を強みとして差別化を図ってきました。
単なる見た目作りにとどまらず、クライアントの事業成果にコミットするアプローチは、非常に付加価値の高い提案です。
しかし、生成AIや高度なノーコードツールの登場により、状況は一変しつつあります。
- コーポレートサイトやLPの自動生成ツールの精度が急速に向上している
- クライアント側の担当者が、ニワカ知識でもプロに近い仕上がりのサイトを作れてしまう
- 制作のハードルが下がったことで相見積もりが激化し、提示単価が下落している
- 運用フェーズのマーケティング支援においても、広告文やSNS運用のAI化で単価引き下げ圧力が強まっている
サイト制作単体の需要が消えるわけではありません。
一方で「サイト制作+Webマーケティング支援」という従来の勝ちパターンだけでは、利益率を維持し続けるのが難しくなっているのも現実です。
2. なぜ業務システム・Webアプリへの拡張なのか
既存顧客のちょっとした自社用システムの相談に乗れるか?
サイト制作やマーケティング支援で信頼関係を築いている既存顧客から、日常のやり取りの中でこのような相談をされたことはないでしょうか。
- 問い合わせフォームに届いたデータを、担当者が一覧で管理できる画面が欲しい
- 顧客ごとにマイページを作って、個別のお知らせや見積書を配信したい
- イベントや来訪者の受付をQRコードでスマートに管理できる仕組みを作りたい
- 自社の業務フローに合わせた、ちょっとした社内用管理ツールが作れないか
これこそが、WEB制作会社が飛躍するための大きなチャンスです。
「使いやすいUIデザイン力」×「バックエンド」が最強の武器になる
システム開発会社が作る業務システムは、機能性は高くても「画面が使いにくい」「操作が複雑で現場に定着しない」という課題を抱えがちです。
ここに、WEB制作会社ならではのユーザ目線の優れたUI/UXデザイン力と分かりやすい画面設計力が活きてきます。
自社が得意とするUIデザイン力をそのままシステム案件へ拡張することで、クライアントにとっても使いやすく、現場に喜ばれるシステムを提供できるようになります。
さらに、マーケティング支援などの月額運用とは異なり、業務システムやWebアプリの保守・運用・追加開発は、解約リスクの低い高単価な継続案件(ストック収入)につながります。これこそが、単価崩壊から抜け出し、企業価値を飛躍的に高める戦略です。
3. AIが進化してもシステム開発の単価が崩れにくい理由
交通整理と責任はAIだけでは代替できない
システム開発も、いずれAIが自動で全自動構築してくれるようになり、単価が下がるのではないかと懸念されるかもしれません。
確かにコードを書く作業(プログラミング)自体の効率はAIで飛躍的に向上します。
しかし、システム開発の本質である現場のニーズを正しくシステム要件に落とし込む交通整理は、AIがどれだけ普及しても専門家の力が必要不可欠です。
- クライアント自身も自社の本当の課題や必要な仕様(隠れた要件)を言語化できていない
- 現場の曖昧な要望を聞き取り、矛盾のないデータベース構造や業務フローへ「交通整理」する知識が必要
- サーバー環境構築、SSL/TLS証明書管理、セキュリティ脆弱性対応など、インフラの安全性を担保する「責任」が発生する
- トラブルや例外処理が発生した際の保守・運用・障害対応はAIには任せられない
「バイブコーディング」といった言葉が流行していますが、実際の業務で安心して使えるシステムを作るには、エンジニアとしての確かな知見と設計力が必要です。
だからこそ、システム案件は今後も単価が崩れにくく、制作会社にとって非常に魅力的な市場であり続けます。
4. システム案件は自社で受けるのが難しい4つの現実的な壁
理屈は分かるが、社内で開発体制を抱えるのは危険すぎる
業務システム案件への拡張が魅力的な生存戦略だと分かっていても、いざ自社で取り組もうとすると、制作会社の経営者は次のような高い壁にぶつかります。
- エンジニアの採用単価・人件費が非常に高い
優秀なバックエンドエンジニアやインフラの専門家を採用しようとすると、デザインやコーディング担当者よりも高額な固定費が発生します。 - 社内でエンジニアを評価・マネジメントできる人がいない
社内にエンジニアの評価基準や技術的な指導ができる経営者・ディレクターがいない場合、採用してもミスマッチや離職が起きやすくなります。 - 自社でフルスタックエンジニアを見つけるのは至難の業
インフラ構築、DB設計、API連携、セキュリティ管理、バックエンド実装まで一通りの知識と実務経験を持つ人材は市場でも極めて稀少です。 - 毎月安定してシステム案件が発生するかわからない
案件の波がある中で高額なエンジニアの固定費を抱え続けることは、経営上の大きなリスクとなります。
「システム案件を受けたいけれど、リスクが高すぎて自社では手を出せない」——これが、多くのホームページ制作会社が抱える本音ではないでしょうか。
5. 案件ごとにバックエンドをパートナー化する合理的な選択肢
得意分野(UI・デザイン・企画)を守りながら、受注領域を広げる
自社で高額な固定費を払ってエンジニアを雇う必要はありません。
案件が発生したタイミングで、信頼できるバックエンド専門の外部パートナーと組むという分業スタイルこそが、最もリスクが低く、利益率の高い解決策です。
- クライアント窓口、企画、UI/UXデザイン、フロントエンドは自社が担当する
- サーバ構築、DB設計、バックエンド、API連携、保守運用は外部パートナーに任せる
- 必要に応じて自社チームの技術担当としてクライアント商談に同席してもらう
このアプローチであれば、自社の強みであるデザイン力や顧客との関係性を活かしたまま、明日からでもWebシステム開発や業務改善アプリの提案もできる制作会社としてクライアントにアプローチできます。
今まで「技術的に難しそうだから」とお断りしていた相談を、そのまま高単価な受注チャンスへと変えることが可能になります。
[ご参考] 制作会社のバックエンドを支えるハネソルの取り組み
ここまで、WEB制作会社様がAI時代を生き抜くためのバックエンド拡張戦略についてお伝えしてきました。
私たちハネソル株式会社も、そうしたWEB制作会社様の裏側に控えるバックエンド・インフラパートナーとして、自社が得意とするサーバー設定やDB設計、システム構築の技術力を提供しています。
ちなみに、ハネソルでは「キューRクラウド」というオリジナルの仕組みを保有しています。
WEB制作時のアクセスログ蓄積や、問い合わせフォームから送信されたデータの自動蓄積・データベース連携などが最初からパッケージ化されているため、案件ごとにDB運用や基盤をゼロから構築・プログラミングする手間がなく、スピーディーかつ手軽にシステム連携をスタートできる強みがあります。
「既存のクライアントからこんなシステム制作の相談が来ている」「今後、バックエンド案件にも挑戦して単価を上げていきたい」といったお考えがございましたら、情報交換や技術的なアドバイスも含め、お気軽にお声がけください。制作会社様の強みを最大限に発揮できるよう、バックエンドの現場からサポートいたします。
ハネソル株式会社の紹介
ハネソルは、建設業での業務経験から施工管理ノウハウをもつ技術スタッフが開発するWEBシステム開発会社です。
業務では必須とされるエクセル。エクセル上でのデータ管理をQRコードと関連付けさせる発想から生まれたのがキューRクラウドです。オンラインだけでなくオフラインでも利用を実現したのがオンプレ型ボックスです。皆様のシステム運用でのお悩みがありましたら、弊社にご相談ください。


